ガソリン

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ガソリン(英:gasoline)とは、石油の一種で、原油を蒸留して、一番はじめに得られる物質。ガス系の燃料の一種。オクタン(C8H18)を含む混合物である。

ガソリン(gasoline)の由来・語源は、「gas+ol+ine」と分解され、「gas」は気体・ガス系、「ol」はアルコール(alcohol)類などにつける語尾、「ine」は化学物質に付ける語尾。

ガソリンのでき方は、原油を加熱炉で40℃〜180℃に熱してできている。

特徴[編集]

  • 沸点が30 ~ 220 ℃程度。
  • 常温で、揮発性が高い[注 1]
  • 臭気を放つ。

用途[編集]

  • 用途は、主に自動車の内燃機関の燃料に使用されている。ガソリンを使うエンジンをガソリンエンジンという。自動車用のガソリンとしてレギュラーガソリン(1号ガソリン)とハイオクガソリン(2号ガソリン)が存在する。
  • 携帯燃料や機械の洗浄などを目的としたホワイトガソリンもある。
  • 染み抜き用などのベンジンもガソリンの一種である。

ガソリンは用途ごとに性質や添加剤が大きく異なるため、使用する機材が指定するガソリンを使用する必要がある。

自動車用ガソリン[編集]

自動車用ガソリンは前述のようにレギュラーガソリンとハイオクガソリンが存在する。両者の違いは主にオクタン価の違いによって分類され、オクタン価89以上96未満がレギュラー、オクタン価96以上がハイオクガソリンとして指定されている。日本で一般に売られているレギュラーガソリンのオクタン価は91程度、ハイオクガソリンは100程度といわれている。

オクタン価が高いほど燃えにくい性質があり、高出力エンジンの場合、圧縮比が高く、混合気の圧縮中に異常燃焼(早期着火のプレイグニッションや不規則燃焼のデトネーションなどがある。異常燃焼の結果として金属音などが発生し、エンジンブローにもつながりかねないノッキングが発生する)しないようによりオクタン価が多いハイオクエンジンを指定することが多い。そのため、ハイオクガソリン指定車にレギュラーガソリンを給油すると出力低下などの悪影響を引き起こす。

近年の車においては緊急時にハイオクガソリンが入手できず、やむを得ずレギュラーガソリン給油することは想定しており、ECUの燃料マップ書き換えやセーフモードにより即座にエンジンブローということはない。ただし、その状態のまま急加速や高速巡行などの高負荷状態で走行することはエンジンブローにつながる行為である。なお、一部のハイオク指定エンジンには如何なる場合もレギュラーガソリンの使用を禁止しているエンジンがある。

レギュラーガソリン指定車にハイオクガソリンを入れても出力上昇や燃費改善の効果はほとんどない。前述のようにレギュラーよりも燃えにくいガソリンであるため、むしろ逆効果の場合もある。 洗浄効果についても、継続して長い期間給油する場合に効果がある可能性はあるが、ガソリンに含まれる程度の洗浄剤ではあまり効果がない(ガソリン添加剤のほうが効果が期待できるレベル)。

なお、それなりの頻度でガソリンと軽油誤給油が発生する。軽油とガソリンでは性質が大きく異なるため、レギュラーガソリンとハイオクエンジンの入れ違い以上に大きく悪影響を及ぼすことが多い。

入手方法と保存場所[編集]

販売場所は、一般消費者向けとしてはガソリンスタンドで販売される。ガソリンスタンドでは地下に設置されたタンクにおいて貯留され、地下タンクは地面から約60cm以上の深さに埋められ、厚さ3.2mm以上の鉄板でつくられている。なお、2サイクルエンジン用の混合油やアウトドア用のホワイトガソリンはホームセンターでも購入が可能である。

2003年に発生した名古屋立てこもり放火事件を受け、容器で販売する際[注 2]携行缶以外の販売が禁止された。 更に2019年京都アニメーション放火事件を契機とし、ガソリンを容器で販売する際は販売記録を残すように消防庁から消防機関や石油精製や元売りの関連団体、ガソリンスタンドの業界団体などに通達が行われた。その後、2020年には販売の際に身分証の提示により、購入者の身分の確認が義務づけられた[注 3]

なお、ガソリンの容器販売はガソリンスタンドの従業員が行うものとされており、セルフスタンドで客が携行缶に給油したりすることは法令で禁止されている。

地球温暖化対策[編集]

ガソリンを燃料とする自動車は二酸化炭素や硫黄酸化物や窒素酸化物を排出することから、大気汚染や酸性雨、そして地球温暖化の原因の一つとされている。自動車では触媒作用により窒素酸化物などの有害物質を減らす機構を採用していたり、電気とガソリンエンジンを併用するハイブリッド車のように排出ガスの少ない車を利用したり、ガソリン車から燃料を天然ガス車に改造したり、完全EV化などによりそもそも燃料として使用しない事といった、低公害車の開発が目標とされている。現在では、ガソリン車は、だんだん中古車のみとなっていく。

関連項目[編集]

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  1. このため、鉄道車両には殆ど用いられず、暖房器具のストーブへの使用は危険である。なお、アウトドア用品のコンロを指し、「ストーブ」と表記することも多く、注意が必要である
  2. 要は自走する車両に給油する以外
  3. 本人確認自体は前述の通達の際に盛り込まれていたが、法改正により義務化になったものである