ノッキング

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ノッキングとは自動車エンジン内部で異常が起こり、その結果として異音や振動が発生する現象のことである。ノッキングが発生した時点でエンジンに深刻なダメージが発生していることもあり、エンジンブローと関係が深い現象である。

なお、マニュアルトランスミッション搭載車におけるギアの不適切な選択による振動もノッキングと呼ばれるが、そちらはカーノックといわれて区別されることが一般的である。

概要[編集]

ノッキングの主な原因としては2種類存在し、一つが失火(ミスファイア)によるもの、もう一つが異常燃焼(デトネーション)によるものである。特に異常燃焼はクランクシャフトの変形を引き起こすこともあり、エンジンブローの原因となることが多い現象である。いずれにせよクランクシャフトとピストンの動きに想定外の負荷がかかるため、異常な音や振動となって表れるものである。

失火[編集]

失火によるノッキングは低回転時などにおいても起こりやすく、特にスパークプラグの状態が悪いと発生しやすい。それ以外にも燃料系統の不具合により発生することもある。本来燃焼するタイミングで燃焼が行われないため、パワー不足感や息つき感となって感じられるものである。

高回転時に失火した場合、燃焼しなかったガソリンにより油膜が洗い流されてしまうためピストンとシリンダーが直に接触し、損傷することがある。

デトネーション[編集]

早期着火など、正常な点火タイミング外で点火する現象である。一般的にノッキングと言ったらこちらであり、エンジンに深刻なダメージを与える現象である。原因としては燃焼室内に堆積したカーボンの発火やオクタン価の低いガソリンによるプレイグニッションなどが挙げられる。異常燃焼の際は燃焼というより爆轟に近い燃焼状態ともいわれており、かなり高い燃焼温度と衝撃が発生することが知られている。その威力はクランクシャフトの変形やシリンダーやプラグの溶解まで引き起こすことがある。

関連項目[編集]