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カーオーディオ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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カーオーディオとは自動車に搭載されるオーディオ機器である。カーステレオと呼ばれることがあるほか、ラジオのみのものはカーラジオ、大きなディスプレイを搭載し、スマートフォンなどと連携できるものはディスプレイオーディオと呼ばれることもある。

概要[編集]

カーオーディオはラジオによる交通情報の取得の他、運転しながらラジオ放送そのものや音楽を楽しむことができる機器である。

古くはラジオのみであり、しかも高価なオプション装備であった。しかし、時代が下るにつれてラジオの低価格や小型化が進んだほか、カセットテープの普及に伴い音質に拘った機器が出るなど、快適装備として需要の高いオプション装備となっていった。

カーオーディオの特徴として、運転しながら利用しやすいように操作系に工夫が施されていることが多い[注 1]。また、家庭用オーディオに比べて音飛びがしにくかったり、耐久性が高く設計されているものも多い。ディスク読み込みも家庭用機器に多いトレイローディング式ではなくスロットイン式がほぼ主流であり、トレイローディング式のものがあればかなり希少なものとなる。

カーオーディオで再生できるものとして、80年代から90年代はカセットテープやCDが、90年代から2000年代にかけてはCDとMDが主流になっていった。2000年代以降はデジタルオーディオプレイヤー携帯電話・スマートフォンとの接続が可能になったほか、フラッシュメモリなどに保存した音楽やデータディスクを再生できる機器も登場した。

カーナビゲーションの普及に伴ってカーオーディオとカーナビゲーションを合わせた機種も多く販売された。カーオーディオはカーナビに内蔵されている。このような機種はディスプレイを生かしてテレビを受信できるものやDVDなどの動画を再生できるようになっていき、その一部はカーエンタテイメントとして独自の進化を歩むようになっていった。

ヘッド部の大きさはほとんどがドイツ工業規格に(DIN)沿ったサイズである1DINから2DINとなっており、2000年代までの車や社外品のほとんどがこのサイズで作られている。一方で2010年代以降の自動車においてはDIN規格にとらわれない純正オーディオを搭載する自動車が増えてきており、社外オーディオ市場は一気に沈静化している。なお、1DINサイズのカーオーディオはシンプルなものが多く、多くは単一の機能+ラジオといったものが多かった。2DINはCDとカセットまたはMDなどの2つのメディアが使用できたほか、カーナビゲーションや後述のディスプレイオーディオが採用することが多い。

ディスプレイオーディオ[編集]

2010年代後半より、2DINサイズ以上のタッチ可能ディスプレイを持ち、車外カメラやスマートフォンとの接続などが強化されたディスプレイオーディオが普及を見せている。iOSであればCarPlayAndroidであればAndroid Auto対応機種であればスマートフォンを利用してナビアプリの利用やオーディオを再生することもできる。

純正タイプは車両情報を表示したり、エアコンを操作したり、複数の車外カメラを合成してアラウンドビューモニターのような全方位画像を表示することもできる。

大きなディスプレイに機能を集約することはダッシュボードの設計にかかるコストを低減でき、右ハンドル車や左ハンドル車、言語が異なる国でもプログラムの改修だけで済むことから各メーカーがこぞって純正オーディオとして設定するようになっている。しかし、何らかの影響でプログラムがダウンすると起動するまで操作を受け付けなくなってしまうという欠点もある。また、タッチパネルとすることで目視での操作が必須となり、運転中の空調操作などに危険が伴う[注 2]ようになってしまった。そのため、タッチパネルではなく物理ボタンに回帰するような風潮が2020年代半ばから見られるようになっている。

ディスプレイオーディオはスマートフォン等の接続を前提としており、CDやDVD、テープやMDなどの読込機構(メカ)を完全に廃したメカレス 機も増えている。読込機構の耐久性や精度が不要になったことで、従来のオーディオ製造メーカー以外でも参入しやすくなり、中国などから安価なディスプレイオーディオも多く流通するようになってきた。

その他[編集]

単体では駆動しないものの、ヘッドユニットと合わせて使用することで利用可能になるユニットも存在していた。代表的なものに複数枚のCD・MDを収納し、ヘッドユニットから操作できるチェンジャーユニットもあった。また、音質に拘りたい人向けに単体のイコライザーユニットを装着する場合もあった。

セダンが主流だった80~90年代においては後席後ろに社外スピーカーを配置することが流行っており、とくにメーカーロゴが光るタイプが人気だった。2025年現在ではミニバンSUVの流行に伴いほとんど見られなくなったものである。

CD再生ユニットが高価だった時代、カセットデッキでポータブルCDプレイヤーでCDを聞くための「カセットアダプター」が広く使われていた。カセットテープと同じ大きさのケースからケーブルが出ており、3.5mmステレオプラグが付いているものである。このプラグをポータブルプレイヤーのイヤホンジャックに繋ぐことでカーステレオから音楽を流すことができたものである。今でいうAUX端子的な扱い方ができたため近年でもBluetooth化されたものが販売されるなど一定数の需要はあるようた。

乗用車向けの場合、12V電源とスピーカーさえあれば自宅でも利用することができる。

製造メーカー[編集]

カーオーディオの日本における主要なメーカー(撤退含む)は以下の通りである。

その他、上級グレードのオプション装備としてハーマン・カードンマッキントッシュ・ラボのカーオーディオが採用されることもある[注 3]

なお、自動車メーカー名を冠するオーディオもあるが、そのほとんどがオーディオメーカーのOEMである。例えばトヨタ純正オーディオのCKP-D59はパイオニア製であり、日産純正オーディオのDA22JもJVCケンウッド製である。また、ホンダのようにオリジナルオーディオブランドを冠したOEMもある。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ディスプレイオーディオの普及により、タッチパネル化される事例も多い
  2. かつては温度や風量のほか、内外機切替や吹き出し口切替まで目視せずとも操作出来たものが多かった。娯楽機能であるオーディオはもとより、空調は命に係わる設備であるため文字通り命取りになりかねない
  3. 前者はスバル・ソルテラ、後者はスバル・レガシィのメーカーオプションとしてそれぞれ設定されていた