アルマゲドン
アルマゲドン (Armageddon) とは、1998年公開のアメリカのSF映画・パニック映画である。地球に間もなく衝突する小惑星を核爆弾で爆破するというもの。主演はブルース・ウィリス。
「アルマゲドン」の意味は新約聖書に登場する最終戦争を意味する言葉ハルマゲドンの英語読み。
ストーリー[編集]
台湾沖で石油採掘をしていたハリー・スタンパーは雇っているA.Jという男が、自分の娘を部屋に連れ込んだことを知る。ハリーは怒り狂って散弾銃を持ち出し、逃げ回るA.Jに発砲し軽傷を負わせる。
その直後、地球に間もなく衝突する小惑星に穴を掘り、内部から爆破することを計画していたNASAは、ハリーに掘削機の調整を依頼する。だが、掘削の経験のない宇宙飛行士に掘削は無理と考えたハリーは自分が部下を連れて小惑星に行くと主張する。
ハリーの主張は認められ、ハリーはNASAの小惑星爆破計画に参加することになる。部下は最低の男たちばかりで、ハリーの娘に手を出したA.J。女房に逃げられたパチンコ依存症、否、ギャンブル依存症のオヤジ。マザコンのデブ。暴走族の黒人。小惑星が衝突すると聞いてサラ金から大金を借りてナイトクラブで豪遊するロリコンの変態オヤジなどであった。
彼らは、二機のスペースシャトルに分乗して小惑星に向かう。それは万一、一機が事故を起こしても計画が遂行できるようにするためであった。
動画[編集]
脚本の変更[編集]
ゲイル・アン・ハードが2008年4月のCNNショウビズのインタビューで語ったところによれば、本作は当初、ブラッカイマーとマイケル・ベイのコンビによる『ザ・ロック』や、サイモン・ウェストを監督に招いた『コン・エアー』と同様の娯楽アクション映画として製作される予定で、ゲイルの夫であるジョナサン・ヘンズリー(『ダイ・ハード3』)もその路線での脚本を任された。
この脚本では、『コン・エアー』でも印象的な演技を見せたスティーヴ・ブシェミ演じるロックハウンドが、チームのお荷物になりながら、最後は隕石にひとり居残って自爆し、自分の命と引き換えに地球を救うというストーリーだった。この映画の企画自体、ブラッカイマーが『インデペンデンス・デイ』(以下『ID4』)のヒットに触発され、今度はSFで地球の危機という要素を取り込もうと考えたことがきっかけであり、落ちこぼれた迷惑キャラクターの自己犠牲という筋書きは『ID4』のランディ・クエイドが演じた元ベトナム帰還兵のパイロット、ラッセル・ケイスの役どころと同じであった。
しかし、本作の製作期間中に『タイタニック』の大ヒットがあり主人公を演じるレオナルド・ディカプリオの自己犠牲が感動的であると話題になったため、ブラッカイマーは路線の変更を指示。J・J・エイブラムスが脚本に加わり、ブルース・ウィリス演じる主人公ハリー・スタンパーが隕石に残り自爆する筋書きに変わった[1]。同時期のライバル作品『ディープ・インパクト』も自己犠牲のラストになっているうえに、こちらは音楽までタイタニックのジェームズ・ホーナーに依頼している。
『アルマゲドン』は上記の経緯で、娯楽作から無理に『タイタニック』風の感動作に変更したため、『ID4』風の伏線だったはずのロックハウンドの迷惑行為はそのままストーリーに残ったうえ、ロックハウンド自身は地球に生還するという、キャラクター描写の意味づけを失わせる一面もあった。内容が比較的真面目に受け取られた日本と違い、アメリカにおいてゴールデン・ラズベリー賞を総なめにしてしまった理由は、タブロイド紙の報道を通じこの変更を多くの映画ファンが知っていたからでもある。
その他[編集]
ベアー役を演じたマイケル・クラーク・ダンカンだが、彼は本作が公開された翌年、映画『グリーンマイル』にメインキャストのジョン・コーフィ役として出演することになり、ダンカンは後にアカデミー助演男優賞にノミネートされることとなった。実は『グリーンマイル』のオーディションを受けるようダンカンに薦めたのはブルース・ウィリスであり、本作の撮影中に『グリーンマイル』の企画の話を聞き、共に撮影中であったダンカンに話を持ちかけたという。
貿易センタービルが倒壊(アメリカ同時多発テロ事件)する前の映画のため、貿易センタービルが登場する。
脚注[編集]
- ↑ movie magazine dateline 27 march 2002
関連項目[編集]