アユモドキ
アユモドキ | |
---|---|
分類 | |
目 | コイ目 |
亜目 | ドジョウ亜目 |
科 | アユモドキ科 |
属 | アユモドキ属 |
種 | アユモドキ |
名称 | |
学名 | Parabotia curtus (Temminck et Schlegel, 1846) |
和名 | アユモドキ (鮎擬) |
英名 | Ayumodoki Kissing loach |
保全状況 | |
IUCNレッドリスト | 近絶滅種 (IUCN 3.1) |
アユモドキとは、コイ目アユモドキ科に分類されるドジョウの一種である。
形状[編集]
全長15~20cm。
体は側扁する。幼魚は横縞が現れる。
生態[編集]
日本固有種であり、国内に分布する唯一のアユモドキ科魚類である。岡山県のいつくかの川と広島県の一部、淀川水系に分布する。
仔稚魚はミジンコなどのプランクトンを、成魚はトビケラやユスリカの幼虫を食べる。
一生[編集]
梅雨の6月が産卵期で、1シーズンに数回産卵する。
産卵場所は氾濫原や川や湖の周囲。梅雨で水位が上がり、陸地水没すると繁殖のために集まる。
卵は石の間や砂泥にまだ撒かれ、産卵後25時間以内に孵化。水位が下がる9月頃になると河川に移動し、河床や堤防の隙間で越冬する。
2年で成熟し、2.5~3年で死ぬ。
分類[編集]
アユモドキは、コンラート・テミンクとヘルマン・シュレーゲルにより日本動物誌内で記載された。シマドジョウ属とされ、学名は“Cobitis curta“であった。
1963年、NALBANT T.T.が、レプトボティア属に移動される。
2002年、Teodor T. Nalbantがレプトボティア属からアユモドキ属(Parabotia)にすること提案。
2004年、NALBANTはレプトボティア属に移動されたのはミスであったとし、アユモドキ属とする事を支持する。
2009年、mtDNA分析からもアユモドキ属であると支持される。
減少[編集]
アユモドキは、1950年代から急速に数を減らしている。
本種は川の増水や灌漑により一時的に形成され、水位の上昇が一定期間持続しており、陸上植物が繁茂していて、流れの穏やかな場所という限られた場所で産卵する。
都市開発によって人為的に管理されている川は、水位は下げられてしまい、一時的水域は無くなる。
1977年(昭和52年)に国指定天然記念物、2004年(平成16年)に「種の保存法」の「国内希少野生動植物種」に指定された。
2012年(平成24年)に、環境省第4次レッドリストで絶滅危惧IA類と評価された。