アクティブトルクスプリットAWD

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アクティブトルクスプリットAWDとは、スバル四輪駆動制御システムの一つである。かつてはVTD-4WDと呼称していたこともある。ACT-4と略されることもある。

概要[編集]

1987年スバル・アルシオーネに搭載されたものをはじめとし、スバルの四輪駆動においてもっともスタンダードで多く搭載されている制御方式である。センターデフの代わりに油圧式の多板クラッチを用いており、ATCVT油圧を用いて制御している。四輪駆動システムとしては広義のスタンバイ式に分類され、近年ではアクティブオンデマンド式に分類される四輪駆動である。しかし、スタンバイ式であるが、常に4輪へ動力が伝達していることが特徴の一つである。通常は燃費の悪化や回頭性の問題から回転差が無い場合は2WDとして走行することが通常であり、トヨタ・RAV4ですら不要時は後輪への動力伝達を切り離すダイナミックトルクベクタリングAWDを採用しているほどである。理論上は前輪:後輪が100:0~50:50までの間で可変制御できるとしているが、高速道路を走行している時ですら80:20と、意地でもフルタイムAWDを守り抜いている。

前後の基本トルクは60:40程度を基本とし、走行状況に合わせてリアルタイムにトルク分配をコントロールするシステムである。特別な操作を必要とせず、万人向けのフルタイムAWDシステムとしている。一部車種にはX-MODEと呼ばれる制御モードが搭載され、滑りやすい路面やスタックへ有効であるとされている。

X-MODE[編集]

フォレスターXVにはX-MODEと呼ばれる制御モードが装備されている。このモードが有効になると車両の制御に介入し、トルク分配を行う多板クラッチのロック率増大や空転しているタイヤにのみブレーキがかかり空転を抑止する制御などが行われる。5代目フォレスターにおいては動作モードが増え、従来と同様のスノー・ダートモードに加えてディープスノー・マッドモードが追加された。ディープスノー・マッドモードは完全な空転防止ではなくトラクション性を重要視しており、空転しながらでも脱出できるような制御となっている。ハイブリッド車であるXVにおいては後輪モーターも使用し、スタックからの脱出性を高めている。

高出力のフォレスターがVTD-AWDではなくアクティブトルクスプリットが採用されたのはこのX-MODEが最大の理由であるとされている[注 1]

AWDの強制解除[編集]

整備やけん引など、四輪駆動で都合が悪い場合[注 2]はAWDを解除することができた。とはいってもスイッチ一つでオンオフができるものではなく、たいていはエンジンルーム内のヒューズボックスにスペアヒューズを差し込む[注 3]などの対処が必要である。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 電子制御によるきめ細かい制御が可能であるため
  2. スペアタイヤの装着時も強制解除を必要とする
  3. GC/GF型インプレッサの場合