VTD-AWD

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VTD-AWDとは、スバル四輪駆動制御システムの一つである。かつてはVTD-4WDと呼称していたこともある。VTDとはバリアブル・トルク・ディストリビューション の略であり、不変&可変トルク配分電子制御という意味である。

概要[編集]

1991年アルシオーネSVXに搭載されたのを皮切りに、高出力ATCVT搭載車に組み合わせられる四輪駆動システムである。基本トルク配分は後輪への配分が多めになっており、後輪駆動に似せたステアフィールになっている。

センターデフを持つフルタイムAWDシステムであり、そこに電子制御による走行状況に合わせてたトルク配分の連続制御が可能になっている。このことにより直進安定性と回頭性の向上を果たしている。

ワインディングロードなどでは後輪駆動車のようなアクセルオンによるオーバーステア傾向がマッチするため、「操る楽しさ」を感じるドライバーは多い。

同社のアクティブスプリットAWD(ACT-4)と比較するとよりアグレッシブにドライブしたいドライバー向けの四輪制御システムといえる。一方では前輪駆動や前輪へのトルク配分が多めのAWDに慣れている場合は戸惑う可能性がある。また、アルシオーネSVXが出た当初は基本配分が前輪35:後輪65と現在よりも極端に後輪寄りとなっており[注 1]、積雪路のような低μ路やそれに勾配がついたような路面からの発進は苦手とする「舗装路への性能を全振りにした」といっても差し支えないほどであった。近年ではトルク配分の見直しやVDCなどと合わせて回頭性とAWDの安定性や発進能力も向上し、スポーティなAWDシステムとして熟成されている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 現在は45:55など、比較的50:50に近づけてある