アイスクリーム
アイスクリーム(英: ice cream)とは、代表的な氷菓である。牛乳、砂糖に、空気など(液体窒素をぶち込むというどすこいな手法もある)を混合させるようにして攪拌しながら凍らせた食品である。略称としてのアイスは、シャーベットやアイスキャンデーなどの氷菓の総称として用いられている。
概要[編集]
夏に需要が高い食品であると見なされているが、北海道などでは冬にも食べられていた。「栄養価が高く、口当たりも良いので病人食に良い」とされたのは『暮しの手帖』の影響があるとされ、「子供が熱を出したときは、『林檎のすりおろし』『桃缶』『アイスクリーム』」というのが定番だったが、「☆☆☆」(スリースター)のような「冷凍庫が-22°以下」という冷蔵庫が普及していなかったため、常備できなかったという事情があり、「桃缶」が主流だった。 その後、平成時代になってからスリースターの冷凍冷蔵庫やコンビニエンスストアが普及したので、「冷凍食品やアイスは常備」というユーザが増加したという。
種類[編集]
アイスクリームに加えるフレーバーによって様々な種類や味が作り出せ、人それぞれの好みがある。バニラ、いちご、チョコレートなどが一般的だが、抹茶、あずきなどの和風フレーバー、果てはコーンポタージュやナポリタンなどの些(いささ)かゲテモノ風のものもある。かつてドナテロウズが「ウニ味」を発売したことがあったという。
ブランドはサーティワンアイスクリーム、ハーゲンダッツ、GODIVAなどがある一方、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで手軽に購入できるものもある。
バスキン・ロビンズの「サーティワンアイスクリーム」は、五種類のフレイバーを一つのコーンカップに重ねることができるため、「2^5-1=31」から命名された。三十二番目があるとすれば、「コーンのみ」「カップのみ」ということになるが、昔はアイスクリームには口直し用にウェハースが添えられていたので、「追加でカップのみ」とか「ウェハース」とかがあっても悪くはないと思う。
乳脂肪分の含有量から、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスに分かれる。「アイスクリーム」と呼べるのは、乳固形分が15.0%以上で乳脂肪分が8.0%以上のもののみであり、乳固形分が10.0%以上で乳脂肪分が3.0%以上のものは「アイスミルク」、乳固形分が3.0%以上のものは「ラクトアイス」、乳固形分がそれ以下、または全く含まれない製品は「氷菓」と分類される。しかし、それらの総称として「アイスクリーム」という言葉が使われることが多い。アレルゲン対策で豆乳などの原材料を用いた製品も「アイスクリーム」と呼称されることがある。
歴史[編集]
早くも紀元前15世紀頃には中国でシャーベットのようなものが成立し、16世紀頃には今のような形になった。しかし、氷、砂糖が必要だったために近代になって本格的に登場した食品である。安定した砂糖の供給は近世、製氷技術は19世紀に登場した技術である。1860年に徳川幕府がアメリカ合衆国に派遣した万延元年遣米使節にもアイスクリームが提供された。この時は塩化ナトリウムと氷の寒剤で作られたと言われている。
日本国内では、1869年6月に横浜の馬車道通りの「氷水屋」で「あいすくりん」という名称で販売されたのがはじめである[1]。値段は2分(現在の価値で約8000円)と大変高価な物であったため、初めは全く売れなかったという。工業的なアイスクリームの生産は、大正9年に始まった。
その他[編集]
大正期には、「氷菓子 = 高利貸し」に引っ掛けた蔑称ともされたという。
脚注[編集]
- ↑ アイスクリームの日本昔話信州大学 細野明義 p33