X-Wagen

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x-Wagen(イクス・ヴァーゲン)は、西ドイツ国鉄で開発され、1978年から1998年にかけて318両が製造されたSバーン用の通勤型客車である。

概要[編集]

x-Wagenは両開き3扉・車内はセミクロスシートを装備した通勤型の客車として1978年、ライン=ルールSバーン(独: S-Bahn Rhein-Ruhr)での運用が開始された。

計画・開発[編集]

1970年代半ば、ライン=ルールSバーンには420形電車を投入することが検討されていたが、420形は編成中全車が電動車であり、駅間距離が長いライン=ルールSバーンには適さないと判断された。そのため420形に中間付随車を加えた422形(西ドイツ国鉄)が計画されたが中止され、最終的にプッシュプル客車列車(ペンデルツーク)を投入することとなった。
1978年、デュワグメッサーシュミットは、ライン=ルールSバーン用のプッシュプル列車の開発を依頼され、同年末には試作の二等車Bx 794.0と制御車Bxf 796.0が落成し、西ドイツ国鉄に納入された。この制御車の前面は、計画中止となった422形電車のデザインを踏襲したものとされた。

製造[編集]

1次車は1981年から量産が開始され、制御車(Bxf)および一等二等合造車(ABx)それぞれ59両、二等車(Bx)97両が落成した。1989年からは2次車(200番台)が生産され、制御車Bxf 796.2及び一等二等合造車ABx 791.2がそれぞれ13両、二等車Bx 794.2が19両製造された。これら2次車は1次車とは塗装が異なり、1次車がアイボリー地にオレンジ色のラインだったのに対して、2次車以降ではオレンジ色とイエローのラインに変更されている。

運用[編集]

ライン=ルールSバーン[編集]

x-Wagenは1978年から予定通りライン=ルールSバーンで運用が開始された。同線では当初、111形電気機関車と組み運用されていたが、ドイツ再統一後143形も使用されるようになった。
しかし、2019年までに422形(ドイツ鉄道)423形1440形などの電車に全て置き換えられている。

ニュルンベルクSバーン[編集]

ニュルンベルクSバーンでは、1991年からx-Wagenが投入され、当初は141形電気機関車と編成を組んでいたが、その後ライン=ルールSバーンと同様の111形と143形に変更された。
同線では442形(タレント)、1440形などの電車に置き換えられ、2023年までに運用が終了している。

ベルリンSバーン[編集]

ベルリンSバーンでは2002年と、2009年7月下旬〜2011年初頭の短期間のみ運用された。同線では143形と編成を組んで運用された。