ドイツ鉄道143形電気機関車

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ドイツ鉄道143形電気機関車(どいつてつどう143がたでんききかんしゃ、独: DB Baureihe 143)は、東ドイツで646両が製造され、ドイツ鉄道で運用されている電気機関車である。

概要[編集]

ドイツ鉄道143形電気機関車は1982年、東ドイツ国鉄243形電気機関車として登場し、東ドイツのあらゆる電化区間で旅客列車貨物列車などを牽引し、幅広い用途で運用された。
なお、ドイツ再統一により1992年以降、旧西ドイツの称号規定に合わせ、形式は243形から143形に変更されている。

運用[編集]

2010年代以降の運用状況[編集]

143形電気機関車は2023年9月現在、ドイツ鉄道(独: Deutsche Bahn AG)の、DBレギオ(独: DB Regio)およびドイツ鉄道貨物(独: DB Cargo)、その他にデルタレイル有限会社(独: DeltaRail GmbH)や、アルセロール・ミッタル(仏: ArcelorMittal, S.A.)等の民間貨物鉄道会社が運用中で、旧東ドイツ国鉄の区間だけでなく、ドイツ全土のあらゆる電化路線で運用されている。

143形は登場からそこまで年月が経っていないにも関わらず、2016年4月までに300両以上が廃車されている。これは143形の軽量構造車体故に、衝突対策が不足していたことが一因となっている。また、143形は最高速度が時速120kmと遅く、1991年から行われた旧東ドイツ地域幹線高速化工事以後の長距離列車を牽引するのには不十分な速度である。そのため2023年現在、東ドイツ時代のように急行列車などは牽引せず、中距離普通列車のレギオナルバーン(RB)や貨物列車など高速性能がそれほど求められない列車に充当され、順次146形147形といった後継機への置き換えが進んでいる。

Sバーン[編集]

ドイツ鉄道発足以来、143形は、ライン=ルールSバーン(独: S-Bahn Rhein-Ruhr)で、西ドイツ時代から運用されてきたx-Wagen通勤型客車と編成を組んで運用されていたが、2020年までにx-Wagen客車の引退と共に撤退している。