TOKYO REDUX Album
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『TOKYO REDUX Album』 | ||||
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Cam Lasky の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ダブステップ、ドラムンベース、ベース・ミュージック、テクノ (ダンスミュージック)、インダストリアル、電子音楽、ノイズミュージック | |||
時間 | ||||
レーベル | KWAIOTO Records | |||
プロデュース | Cam Lasky | |||
Cam Lasky アルバム 年表 | ||||
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EANコード | ||||
テンプレート:EAN | ||||
『TOKYO REDUX Album』(トーキョー・リダックス・アルバム)は2021年8月27日に KWAIOTO Records から発売されたCam Laskyの7作目のオリジナル・アルバム。
概要[編集]
本作は、英国人小説家デイヴィッド・ピースによる 下山事件を軸にした戦後東京を舞台に展開する東京三部作の最終章『TOKYO REDUX 下山迷宮』(文藝春秋)にインスパイアされた、Cam Laskyのスタジオ・アルバムである。[2]
本作は、原作の三部構成に合わせ、ベースミュージックの底流を保ちながらそれぞれの年代に合わせ、表現ジャンルを変えて制作されている。
- 第1部 骨の山 Part.1 THE MOUNTAIN OF BONES - ダブステップ、ドラムンベース
- 第2部 涙の橋 Part.2 THE BRIDGE OF TEARS - バンドサウンド + ベース・ミュージック
- 第3部 肉の門 Part.3 THE GATE OF FLESH - インダストリアル・テクノ(戦後モノローグ)、ダーク・アンビエント(1988年)、ダブステップ
第2部パートで演奏されるリッケンバッカー、フェンダー・ジャズベース、ハモンドオルガンまたはローズ・ピアノ、ドラムは全てCam Laskyによる生音だが、60年代の架空バンド「ザ・ビーフ」[3]とのコラボレーションという裏設定がある。
第3部パートでは原作に言及のある、ドナルド・リッケンバックの愛聴するリヒャルト・シュトラウス楽曲が多用されている。ラジオから流れてくるという設定のためにフィルタリングされているが、そのほとんどがオーケストラまたはピアノ・ライブラリを用いた Cam Lasky の手弾きレコーディングである。また、このパートを制作しているのはオブライアン・イーネという架空のアンビエント・アーティストで「そこを埋めないと水が沁みだしてくるんだよう」というスキマ恐怖症の元ロックスター、という裏設定がある。[4]
本作までのデイヴィッド・ピース原作の東京三部作アルバム収録曲は108曲にのぼる。
リリース形態[編集]
SDメモリーカード(Micro SD内臓) CDケース収納フィジカル[編集]
- 特殊CDケース・パッケージ。
- 16Pブックレット。
- 日本国有鉄道社章・特装SDメモリーカード。
- 24bit/48kHz WAV による、55曲を収録。
デジタル・ダウンロード / ストリーミング配信[編集]
- 通常版。
- 3アルバム分割仕様。
- Part.1 THE MOUNTAIN OF BONES 16bit/32kHz WAV 17曲収録
- Part.2 THE BRIDGE OF TEARS 16bit/32kHz WAV 16曲収録
- Part.3 THE GATE OF FLESH 16bit/32kHz WAV 17曲収録
収録曲[編集]
Part.1 THE MOUNTAIN OF BONES 第一部 骨の山[編集]
- It's Closing Time, TX テキサス、終宴 (Original Mix)
- 西洋の庭園
- 死亡したジャック・ステットソン元大尉[注釈 1]の部屋に残された「古い隅田川の絵葉書」から、前作『OCCUPIED CITY Album』の「Sumida River 隅田川 (Original Mix)」のテーマスーツが挿入されている。
- Black Train 黒い列車 (Original Mix)
- 1. 1日目 1949年7月5日
- ハリー・スウィニーが上野駅で見ていた、大量の引揚者を乗せた「黒い列車」から、牽引車・国鉄C51形蒸気機関車のドラフト音をBPM140の連続音にビート化して使用している。
- Buick 41173 ビュイック 41173番 (Original Mix)
- Too Late もう遅い (Original Mix)
- Secret Emperor 千住晃 (Original Mix)
- 東京三部作のダークサイドの象徴・千住晃のテーマで、『TOKYO YEAR ZERO Album』 M20 : 「Adachi or Senjyu 安達か千住か?」と『OCCUPIED CITY Album』 M14 : 「Tokyo Underground 東京地下」の両曲からテーマスーツが落とし込まれている。
- in the Night and in the Rain 夜と雨の中 (Original Mix)
- 2. 2日目 1949年7月6日
- Jumped or Murdered 自殺か他殺か (Original Mix)
- 原作中、実名で登場するG2のトップ、チャールズ・ウィロビーのテーマで、スケールアップした『OCCUPIED CITY Album』の M19 : Death Factory 死の工場 であるとしている。[注釈 2]
- Scar 傷 (Original Mix)
- Harold Lloyd Style Frame ロイド眼鏡 (Original Mix)
- 3. 以後の数日 1949年7月7日~7月10日
- 三越百貨店本店 地下『喫茶香港』ウェイトレス・川田和子の証言と遺留品の矛盾のテーマで、下山定則国鉄総裁を轢いた国鉄D51形蒸気機関車のドラフト音がビート加工され使われている。(このD51系ドラフト・ビートは、本作で繰り返し使用されている)また、この楽曲はドラフト・ビートを流しっ放しにして叩いたドラムが先にレコーディングされ、上物を後から重ねて完成させている。
- 2 Detectives ふたりの刑事 (Original Mix)
- Nest of Vipers 蝮の巣 (Original Mix)
- Snakes and Ladders 蛇と梯子 (Original Mix)
- Little Pyongyang リトル・ピョンヤン (Original Mix)
- Code Clark コードクラーク (Original Mix)
- 4. そして最後の日 1949年7日11~7月15日
- Gone Witness 消えた証言者 (Original Mix)
- Zed Unit Z機関 (Original Mix)
- Hongo House 本郷ハウス (Original Mix)
Part.2 THE BRIDGE OF TEARS 第二部 涙の橋[編集]
- 1964 昭和三十九年 (Original Mix)
- 5. マイナス15からマイナス11 1964年6月20日~6月24日
- 昭和39年(1964年)の象徴として、ビートルズ『ア・ハード・デイズ・ナイト (曲)』のオープニング・コードが忠実に再現され、繰り返し使われている。
- 『TOKYO YEAR ZERO』の三波警部補(片山伍長)、森警部、安達警部、緑川柳子、阿部よしこなど、第2部の主人公に関わる『TOKYO YEAR ZERO』の亡霊たちが蘇る楽曲の為、『TOKYO YEAR ZERO Album』から各種テーマスーツが細かく裁断され練り込まれている。
- Private Eye 私立探偵 (Original Mix)
- 第二部の主人公・室田秀樹(『TOKYO YEAR ZERO』で、安達警部らによる口封じ工作により不遇の扱いを受けた、『占領都市』にも登場する刑事・服部と同期の元警官)のテーマ。
- Address Book 住所録 (Original Mix)
- Tokyo Asylum 東京都立松沢病院 (Original Mix)
- in Tears 涙で終わる (Original Mix)
- 『TOKYO YEAR ZERO』の小平事件犠牲者・阿部よし子の友人として、後に室田秀樹と生活を共にすることになった富永徳子の亡霊のテーマ。
- Suspect 嫌疑 (Original Mix)
- 6. マイナス10からマイナス6 1964年6月25日~6月29日
- Murderer 人殺し (Original Mix)
- Doctor 主治医 (Original Mix)
- Locked Inside 罠 (Original Mix)
- Syringe 注射器 (Original Mix)
- Drowned in Blood 溺血 (Original Mix)
- 7. マイナス5マイナス1 1964年6月30日~7月4日
- Black Electricity 黒の電撃 (Original Mix)
- Teddy Bear さだちゃん (Original Mix)
- Madame Hop and Professor Peck ホップ夫人とペック教授 (Original Mix)
- Dark Medicine 黒い医学 (Original Mix)
- 廃人化した『TOKYO YEAR ZERO』の片山(三波)が登場するため、『TOKYO YEAR ZERO Album』のM1.「C1 - 8 Million Gods and Whole World Buddha カルモチン其ノ壱 八百万ノ神と三千世界ノ佛陀 (Original Mix)」では没にした『露営の歌』(藤山一郎オリジナル・バージョン)の加工断片が採用されている。
- Too Late Part. 2 もう遅い 其の二(Original Mix)
Part.3 THE GATE OF FLESH 第三部 肉の門[編集]
- Voice of Ghost 亡霊 (Original Mix)
- 8. 昭和の最後の季節 1988年、秋
- リヒャルト・シュトラウス 『チェロソナタ (リヒャルト・シュトラウス) F major, Op. 6』の一部がオーケストラ・ライブラリで再現されている。
- Douglas C 54 ダグラス C-54 (Original Mix)
- Occupied Tears 占領下の涙 (Original Mix)
- House of the Death 死の家 (Original Mix)
- Woman who Knew 知っていた女 (Original Mix)
- リヒャルト・シュトラウス 『ピアノ・ソナタ Op.5』が再現されている。
- P3 06 Black Gates of Nicholai ニコライ堂の黒い門 (Original Mix)
- 9. 線路の終点 1949年夏、1988年冬
- Flood is Coming 洪水が来る (Original Mix)
- July 5 1949 昭和二十四年七月五日 (Original Mix)
- Private Apocalypse 世界の終わり (Original Mix)
- Doppelganger ドッペルゲンガー (Original Mix)
- Penance 贖罪 (Original Mix)
- Hongo House Part. 2 本郷ハウス 其の二 (Original Mix)
- January 7 1989 昭和六十三年一月七日 (Original Mix)
- Traitor 売国奴 (Original Mix)
- Sin 罪 (Original Mix)
- 36 Steps 三十六段の階段 (Original Mix)
- It's Closing Time 終演 (Original Mix)
- Flood is Coming (Alternate Mix) ** ボーナストラック
- January 7 1989 (Alternate Mix) ** ボーナストラック
- Sin (Alternate Mix) ** ボーナストラック
- 36 Steps (Alternate Mix) ** ボーナストラック
関連項目[編集]
- デイヴィッド・ピース
- TOKYO YEAR ZERO Album
- 下山事件
- 下山定則
- 参謀第2部
- キャノン機関
- ジャック・キャノン
- チャールズ・ウィロビー
- 藤山一郎
- 旧岩崎邸庭園
- 平成
- ドナルド・キーン
- ドナルド・リチー
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ “Cam Lasky『TOKYO REDUX Album』のアルバムページ” (日本語). 2021年8月27日確認。
- ↑ “戦後最大の謎〈下山事件〉を描いたデイヴィッド・ピースのミステリ『TOKYO REDUX 下山迷宮』にインスパイアされたCam Laskyの音楽アルバムがリリース。” (日本語). 2021年8月24日確認。
- ↑ “Part.2 (第二部)は Cam Lasky と架空のバンド「ザ・ビーフ」” (日本語). 2021年8月8日確認。
- ↑ “Part.3 (第三部)は スキマ恐怖症の元ロックスターで架空のアンビエント・アーティスト「オブライエン・イーネが制作した。” (日本語). 2021年9月10日確認。
- ↑ “ルービンシュタインの『愛の夢』は正確無比すぎて怖い。” (日本語). 2021年8月4日確認。
外部リンク[編集]
- Cam Lasky : OCCUPIED CITY Album - 本作のWEBサイト