黒川伊織

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黒川 伊織(くろかわ いおり、1974年[1] - )は、歴史学者。専門は日本思想史・社会運動史[2]神戸大学大学院国際文化学研究推進センター協力研究員[3]

略歴[編集]

広島市生まれ。1996年3月京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科卒。地方自治体職員を経て、2010年9月神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了[1][4]、博士論文「「第一次共産党」史論 : 帝国日本とインタナショナルのはざまで」で博士(学術)。神戸大学国際文化学研究科研究員を経て、2014年同協力研究員[5]。2014年時点で桃山学院大学兼任講師[1]、2016年時点で大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)特別研究員も務める[2]

2015年10月「一九二〇年代日本思想史と第一次国共合作」(『日本思想史学』第46号、2014年)で第9回日本思想史学会奨励賞を受賞[6]

人物[編集]

左派の社会運動を研究している兼業主婦。2003年に社会人入試により神戸大学大学院博士前期課程に入学、2010年に博士(学術)。博士論文に加筆・修正を行い、2014年に『帝国に抗する社会運動――第一次日本共産党の思想と運動』を刊行。従来の一国的枠組みの研究を越えて、第一次日本共産党を国際的な枠組みから捉えた。第一次共産党から始まり1955年に共産党から在日コリアンなど外国籍党員が分離して終焉した一国一党主義への関心から、戦後の共産党も研究対象とする。自身の立場については「共産党にも新左翼諸党派にも、研究対象として以上の関心はない」としている[2]。「10・8 山﨑博昭プロジェクト」賛同人[7]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『帝国に抗する社会運動――第一次日本共産党の思想と運動』 有志舎、2014年11月
  • 『戦争・革命の東アジアと日本のコミュニスト――1920-1970年』 有志舎、2020年9月

共編著[編集]

分担執筆[編集]

  • ヂンダレ研究会編『「在日」と50年代文化運動――幻の詩誌『ヂンダレ』『カリオン』を読む』人文書院、2010年5月
  • 小沢弘明、三宅芳夫編『移動と革命――ディアスポラたちの「世界史」』論創社、2012年9月
  • 三宅芳夫、菊池恵介編『〈共同研究〉近代世界システムと新自由主義グローバリズム――資本主義は持続可能か?』作品社、2014年11月
  • 出原政雄編『戦後日本思想と知識人の役割』法律文化社(同志社大学人文科学研究所研究叢書)、2015年1月
  • 小正路淑泰編著『堺利彦――初期社会主義の思想圏』論創社、2016年6月
  • 宇野田尚哉、川口隆行、坂口博、鳥羽耕史、中谷いずみ、道場親信編『「サークルの時代」を読む――戦後文化運動研究への招待』影書房、2016年6月
  • 川口隆行編著『〈原爆〉を読む文化事典』青弓社、2017年9月

出典[編集]

  1. a b c 帝国に抗する社会運動 / 黒川 伊織【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  2. a b c 「戦後日本共産党史研究の現段階」大阪産業労働資料館特別研究員・黒川 伊織 | 論壇 現代の理論2016春号(2016.5.1発行)
  3. 参加研究者 神戸大学大学院国際文化学研究科国際文化学研究推進センター
  4. 黒川 伊織 researchmap
  5. 黒川 伊織 (50611638) KAKEN
  6. 日本思想史学会奨励賞 日本思想史学会
  7. 賛同人 10・8 山﨑博昭プロジェクト
  8. 『時代に抗する―ある「活動者」の戦後期』 エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)(2014年8月1日)