ステイヤー

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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ステイヤーとは、競走馬の中で長距離レースを得意とするである。2500m以上の距離が長距離とされ、クラシック・ディスタンスの2400mも長距離に含む場合がある。概して3歳秋以降に頭角を現す晩成型の馬が多い。

過去の代表的なステイヤーとしては

などが挙げられる。

一般に、胴が長くすらりとした体型の馬がステイヤーであり、筋肉質で背中の短い馬は短距離に向く。また、長距離レースを勝つためにはペース配分が重要であるため、騎手に逆らって暴走することがあるような気の荒い馬は少なく、素直でおとなしい気性の馬が多い。スタートで大きく出遅れることが多い馬は、出遅れを挽回できる長距離レースでしか勝てないという場合もある。

かつての日本では中央競馬における八大競走のうち古馬が出走できるレースがすべて2500m以上で行われるなど、ステイヤーとしての資質こそが優れた競走能力の証であると評価されていた。しかし近年はマイルないし中距離のレースにおけるスピードを重要視する世界的な風潮の影響から、中央競馬においても1984年に秋の天皇賞の施行距離が3200mから2000mに縮小されるなど、ステイヤーが活躍する長距離レースは施行数が減少傾向にある。最近は各距離ごとにレースが整備されたため、短距離レースに向くと思われる馬が無理をして2400mの日本ダービーに出走してくるようなことは少なくなった。

また、全世界的に長距離レースの人気が低下しているのに加え、近年は中央競馬の全体的な傾向として早熟かつスピードで勝るスプリンターやマイラーを父に持つ血統の方が2・3歳の早い時期にレースで勝ち上がりやすいため人気が高くなる傾向があり、ステイヤーは種牡馬としても繁殖牝馬が思うように集まらず、苦戦する傾向にある。しかしながら母の父としてはスタミナを伝える役割を期待されることが多く、直系は滅んでしまったが活躍馬の母の父として血を残すステイヤーも数多い。