音域

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音域(おんいき)とは、音高の範囲のことで、楽器人間が出すことのできる最低音から最高音までの音の高さの範囲。音幅。英語ではpitch range。の高さは周波数音名で表される。

※ノートナンバー69(440Hz)=A3(ヤマハ式?)

※オクターブ表記を使った音名=英語音名とする

音域名の表示は、高い順から、クライネソプラニーノ=ピッコロ、ソプラニーノソプラノメゾソプラノアルトテナーバリトンバス、グレートバス、コントラバス、サブコントラバス。「音域名のピッコロ」と「ソプラニーノ」は、同じ意味の場合もある。

メゾソプラノは、楽器の音域では、この音域を設けない。

音域名は、和声学における四声配置、四重奏にも使われる。和声学の四声配置や四重奏は、ソプラノ、アルト、テナー、バス。四声のうち、ソプラノとバスは外声、アルトとテナーは内声と呼ぶ。

低音にしても高音にしても、これ以上は出せないという限界がある。音域は、楽器の運指表によってわかる。

楽器の種類には、音域を表す修飾語が付いていて、ソプラノ、アルト、テナー、バスの同族ファミリーの楽器が形成された。

音域の中央は、約300Hz弱で、約293.66Hz(D3)~300Hz(D3より37セント高い)と決められている。実用的な音域の範囲は、音域の中央を300Hzとして、一番低い音から中央までの周波数の比率、そして中央から一番高い音までの周波数の比率が両方とも10倍(約3オクターブ)である。つまり、実用的な音域は、最低音は30Hz、最高音は3000Hzとなる。一番低い音と一番高い音とでは、音域の反転である。

MIDIの音域は、ノートナンバーといい、0~127の128個の7ビットの鍵盤数であり、数値は、真ん中のド(周波数約261.63Hz)をノートナンバー60として決められ、楽譜上ではト音記号の下に加線を一本引いた下第1線に位置する音で、その上下に音高を半音単位で一番低い音から0~127までの128鍵=半音127個の音の高さを表現し、各鍵盤に数値を割り振ったもの。「10オクターブ半+半音」=「約10オクターブ半」に渡るギリギリ広い範囲の音域を持つ。

ノートナンバー音名表記は、英語音名とオクターブの数値の組み合わせを表して変換したもの「オクターブ表記」である。オクターブ表記の区切りは、最低音はC、最高音はB♮。ノートナンバー60である真ん中のドの音名はC3であり、ノートナンバーの最低音0番はC-2、ノートナンバーの最高音127番はG8となる。音域の反転については、ノートナンバー24番(C0=約32.7Hz)を反転すると、ノートナンバー103番(G6=約3135.96Hz)になるという具合である。

メロディー用の音域は、C2~C5という、3オクターブぐらいの音域で、3オクターブは、様々な楽器についてもよく当てはまる。

中音域から高い音を出す楽器はメロディ、低い音を出す楽器がベースを担当する。

(注)クラシックやオーケストラや吹奏楽における音名表記では、ドイツ音名の使用が一般的なので、「シ♮=ロ」の音名を、オクターブ表記を使った音名で書くとき、英語音名で「B」と書くと、混乱の原因になる場合もあるため、Bに♮(ナチュラル)を付けて書いた方が誤解を防ぐことになる。

楽器の実音の音域[編集]

[ ]内はMIDIノートナンバーを示す。これは目安となる音域である。

楽器名 最低音 最高音 備考
グロッケンシュピール F4[77] C7[108]
ピッコロ D4[74] C7[108]
チェレスタ C3[60] C7[108]
オカリナ(ダブルオカリナ) A3[69] C6[96] 2+1/4オクターブ
フルート C3[60] C6[96]
アルトリコーダー F3[65] G5[91]
ヴァイオリン G2[55] E6[100]
オーボエ Bb2,A#2[58] F5[89]
Eb管コルネット(ソプラノコルネット) A2[57] Eb5,D#5[87]
F5[89]
SoundHound及びMidomiの鼻歌検索 Eb1,D#1[39] Ab6,G#6[104] ノートナンバー69(A3)=440Hzの場合。基音が8フィートで、8フィートのみの音色で、基音に整数次倍音を複合した音色の場合
Bb管クラリネット D2[50] Ab5,G#5[92]
トランペット(C管) F#2,Gb2[54] C5[84]
D5[86]
ピアニカ(鍵盤ハーモニカ) F2[53] F5[89]
ヴィオラ C2[48] D5[86]かE5[88]
バンジョー C2[48] C5[84]
メロディー用の音域 C2[48] C5[84] ??
パイプオルガン C0[24] C7[108]、C6[96] 周波数とノートナンバーの関係に依存[1]
最低音で約16.35HzのC音、最高音で約2093HzのC音。16フィートの設定では、最高音は約1046.5HzのC音。
ピアノ A-1[21] C7[108] 一般的な88鍵の場合。97鍵だと下はC-1[12]まで出せる。
アルトサックス Db2,C#2[49] Ab4,G#4[80]
エレキギター E1[40] D5[86]
ハープ B♮-1[23] Ab6,G#6[104]
アコースティックギター E1[40] C5[84]
リードオルガン F0[29] F5[89]
ホルン C1[36] F4[77]
チェロ C1[36] E4[76] 3オクターブちょっと
トロンボーン(テナーバストロンボーン) C1[36] Bb3,A#3[70]
ファゴット Bb0,A#0[34] Bb3,A#3[70]
ユーフォニアム Bb0,A#0[34] Bb3,A#3[70]
Bb管チューバ(4本バルブ) A-1[21] Bb2,A#2[58]
5弦コントラバス B♮-1[23] A2[57]
5弦エレクトリックベース B♮-1[23] Eb3(D#3)[63]
シンセベース C0[24] C3[60]
ピアノの音域
  • 49鍵(C1~C5)の4オクターブ、MIDIキーボードに使われる。
  • 53鍵(C1~E5)の4+1/3オクターブ
  • 54鍵(C1~F5) の約4オクターブ半
  • 55鍵(C1~F#5)の4オクターブ半
  • 56鍵(C1~G5)の4オクターブ半+半音
  • 61鍵(C1~C6)(A0~A5)(F0~F5)の5オクターブ
  • 64鍵(A0~C6)の5+1/4オクターブ
  • 68鍵(F0~C6)
  • 71鍵(E0~D6)
  • 73鍵(C0~C6)(E0~E6)の6オクターブ
  • 76鍵(D0~F6)(E0~G6)
  • 77鍵(C0~E6)の6+1/3オクターブ
  • 78鍵(C0~F6)の約6オクターブ半
  • 79鍵(C0~F#6)の6オクターブ半
  • 80鍵(C0~G6) の6オクターブ半+半音
  • 81鍵(B-1~G6)の6+2/3オクターブ
  • 85鍵(A-1~A6)の7オクターブ
  • 88鍵(A-1~C7)の7+1/4オクターブ、フルサイズ、一般的なピアノの鍵盤

一番少ない鍵盤、ギリギリ少ない鍵盤では49鍵の4オクターブで、主にMIDIキーボードに使われる。88鍵のピアノの音域外の周波数の音高は、ノートナンバーの全音域0(C-2)~127(G8)となる。

88鍵のピアノの音域と、MIDIノートナンバーの音域0~127があれば、オーケストラの最低音の出るコントラファゴットより半音低い音が出せ、B♭管チューバの最低音が出せ、高音の更に高音を担当するピッコロの最高音や、SoundHoundの鼻歌検索の音域における最高音より高い音が出せ、オーケストラ全般の全音域が出せるので、全ての楽器の音域をカバーできる。

音域を1オクターブの範囲内で表現した、各オクターブの名称は、

  • 第5オクターブ、C5(約1046.5Hz)~B5(約1975.53Hz)(ノートナンバー84~95)=ソプラニーノオクターブ、ピッコロオクターブ、3ラインオクターブ
  • 第4オクターブ、C4(約523.25Hz)~B4(約987.77Hz)(ノートナンバー72~83)=ソプラノオクターブ、2ラインオクターブ
  • 第3オクターブ、C3(約261.63Hz)~B3(約493.88Hz)(ノートナンバー60~71)=アルトオクターブ、アルトの音域のドレミファソラシ、1ラインオクターブ
  • 第2オクターブ、C2(約130.81Hz)~B2(約246.94Hz)(ノートナンバー48~59)=テナーオクターブ、スモールオクターブ
  • 第1オクターブ、C1(約65.41Hz)~B1(約123.47Hz)(ノートナンバー36~47)=バスオクターブ、ベースオクターブ、グレートオクターブ
  • 第0オクターブ、C0(約32.7Hz)~B0(約61.74Hz)(ノートナンバー24~35)=コントラバスオクターブ、コントラオクターブ

第3オクターブ、C3(約261.63Hz)~B3(約493.88Hz)の範囲がアルトオクターブなのは、第3オクターブのC3~B3の範囲は、中音域よりわずかに高めの音域の範囲だからであり、音域の中央は、周波数300Hz付近で、C3(約261.63Hz)~E♭3(D#3)(約311.13Hz)だからである。アルトは、一般に、中音域よりわずかに高めの音域であり、女声の音域に当たる。

典型的な音域名の範囲は、全て1オクターブ半で、ピッコロはC5(約1046.5Hz)~F#6(約2959.96Hz)、ソプラニーノはF#4(約739.99Hz)~C6(約2093Hz)、ソプラノはF#3(約369.99Hz)~C5(約1046.5Hz)、メゾソプラノはC3(約261.63Hz)~F#4(約739.99Hz)、アルトはF#2(約185Hz)~C4(約523.25Hz)=ほぼ中音域、テナーはC2(約130.81Hz)~F#3(約369.99Hz)、バリトンはF#1(約92.5Hz)~C3(約261.63Hz)、バスはC1(約65.41Hz)~F#2(約185Hz)、コントラバスはC0(約32.7Hz)~F#1(約92.5Hz)となる。

クラシック以外の音楽=ポピュラー音楽、ゲーム音楽のピアノソロで使う実用音域は、最低音でノートナンバー36=C1(約65.41Hz)、最高音でノートナンバー91=G5(約1567.98Hz、ノートナンバー36の反転)である。

ノートナンバー0~127の中央の音は、ノートナンバー63(E♭3,D#3)か64(E3)で、この音の音域名ではアルトの音域の中央に当たる。チューニングするときの音高である440Hzのラは、アルトの音域内の高音寄りの方に当たる。

音域の鍵盤図

楽器の音域表は、ノートナンバー0(C-2)~127(G8)の音の高さに合わせて表示した方が、音域全体がわかりやすい。

黒鍵の音名は、bで統一する音はBb,Eb,Abの3つで、#で統一する音はF#,C#の2つ。

 ─黒鍵────白鍵───

 ──────┐
        G8
 F#8■──┤
        F8
 ──────┤
        E8
 Eb8■──┤
        D8
 C#8■──┤
        C8
 ──────┤
        B7
 Bb7■──┤
        A7←7040Hz
 Ab7■──┤
        G7
 F#7■──┤
        F7
 ──────┤
        E7
 Eb7■──┤
        D7
 C#7■──┤
        C7
 ──────┤
        B6
 Bb6■──┤
        A6←3520Hz
 Ab6■──┤
        G6
 F#6■──┤
        F6
 ──────┤
        E6
 Eb6■──┤
        D6
 C#6■──┤
        C6
 ──────┤
        B5
 Bb5■──┤
        A5←1760Hz
 Ab5■──┤
        G5
 F#5■──┤
        F5
 ──────┤
        E5
 Eb5■──┤
        D5
 C#5■──┤
        C5
 ──────┤
        B4
 Bb4■──┤
        A4←880Hz
 Ab4■──┤
        G4
 F#4■──┤
        F4
 ──────┤
        E4
 Eb4■──┤
        D4
 C#4■──┤
        C4
 ──────┤
        B3
 Bb3■──┤
        A3←440Hz
 Ab3■──┤
        G3
 F#3■──┤
        F3
 ──────┤
        E3
 Eb3■──┤
        D3
 C#3■──┤
        C3
 ──────┤
        B2
 Bb2■──┤
        A2←220Hz
 Ab2■──┤
        G2
 F#2■──┤
        F2
 ──────┤
        E2
 Eb2■──┤
        D2
 C#2■──┤
        C2
 ──────┤
        B1
 Bb1■──┤
        A1←110Hz
 Ab1■──┤
        G1
 F#1■──┤
        F1
 ──────┤
        E1
 Eb1■──┤
        D1
 C#1■──┤
        C1
 ──────┤
        B0
 Bb0■──┤
        A0←55Hz
 Ab0■──┤
        G0
 F#0■──┤
        F0
 ──────┤
        E0
 Eb0■──┤
        D0
 C#0■──┤
        C0
 ──────┤
        B-1
Bb-1■──┤
        A-1←27.5Hz
Ab-1■──┤
        G-1
F#-1■──┤
        F-1
 ──────┤
        E-1
Eb-1■──┤
        D-1
C#-1■──┤
        C-1
 ──────┤
        B-2
Bb-2■──┤
        A-2←13.75Hz
Ab-2■──┤
        G-2
F#-2■──┤
        F-2
 ──────┤
        E-2
Eb-2■──┤
        D-2
C#-2■──┤
        C-2
 ──────┘
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関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. 「実音の基音周波数、440Hz=A3」ではC-1~C6、「ノートナンバーでは、440Hzはノートナンバー81(A4)、ノートナンバー69(A3)=220Hz」ではC0(ノートナンバー24)~C7(ノートナンバー108)