防災行政無線
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防災行政無線(ぼうさいぎょうせいむせん)は防災関係機関への連絡や、住民へ防災情報を伝達する無線通信システムである。平常時には一般行政事務に使用できる。
概要[編集]
国、都道府県及び市町村の各階層から構成される。
- 中央防災無線
- 内閣府を中心に指定行政機関等や指定公共機関(NTT、NHK、電力等52機関)、立川広域防災基地内の防災関係機関を結ぶネットワーク。
- 消防防災無線
- 県防災行政無線
- 都道府県と市町村、防災関係機関等との間を結ぶ無線通信網
- 市町村防災行政無線
- 市町村が防災情報を収集し、住民に対して無線により防災情報を周知する。
- 市町村防災行政無線には、「同報通信用 (同報系防災行政無線)」と「移動通信用 (移動系防災行政無線)」の2種類がある。
パンザーマスト[注 1]に支えられた屋外スピーカーから流れるだけでなく、各家庭に置かれる戸別受信機で聞くことが出来る。
戸別受信機は小中学校の職員室にも置かれている。戸別受信機は無償で全世帯に配布する場合もあれば、希望する世帯に有償で配布、原則は有償配布だが土砂崩れなど災害の恐れがある地区に住む世帯には無償配布など様々な場合がある。
全戸配布の場合、有線ケーブル経由でラジオ放送を受信できる機能を備えたものもある[注 2]。
歴史[編集]
- 1964年(昭和39年)6月の新潟地震、1968年(昭和43年)5月の十勝沖地震を契機に、消防庁と都道府県を結ぶ「消防防災無線」及び都道府県と市町村を結ぶ「都道府県防災行政無線」の整備を開始した。
- 1990年代に入ると、それまで地域の公衆放送を担った有線放送電話の交換機が老朽化し、有線放送電話を廃止して、防災行政無線に切り替えた自治体が続出した。
主な放送内容[編集]
- 防災
- 緊急地震速報・竜巻注意情報・武力攻撃などの緊急事態における国民への周知
- 気象警報発令・解除、光化学スモッグ注意報発令・解除、避難所開設・閉鎖
- 避難準備情報・避難勧告・避難指示
- 火災発生・鎮圧・鎮火
- 害獣出現情報
- 停電・断水・道路通行止
- 防犯
- 行方不明者の情報提供・捜索協力
- 架空請求・振り込め詐欺等の注意喚起
- 誘拐防止・変質者出没
- 時報(子どもへの注意喚起)
- 行政事務
行政事務の放送は設備の定期的な試験も兼ねている。
異論[編集]
評論家の呉智英は、静粛な環境が破壊されるとして、定期的な試験を名目にした防災行政無線の屋外スピーカーからの毎日の一斉放送に反対している。訴訟も起こしたが敗訴した。
成年コミック誌編集者の塩山芳明も、富岡市の防災無線の大音量に辟易し、ミニコミ誌を作って抗議活動を続けていた。