鍋物

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鍋物(なべもの)とは日本料理のジャンルのひとつ。とはいえピェンロー(中国)やチゲ(韓国)やパエリア(バスク地方など)などもあるため、必ずしも「日本料理」とは断言できない。

概要[編集]

多くは卓袱料理であり、「鍋を囲む」ことが親睦のひとつであった。とはいえ「小鍋立て」という「一人鍋」もあり、「鍋焼きうどん」などはここに分類される。おでんのように、銘々皿に取られて出される鍋物もある。

」は調理器具なので、そのまま食卓にのぼることはあまりなく、銘々膳または銘々皿に取るのが一般的だったが、銘々膳があまり用いられなくなってから、鍋を食卓の中心に据えて各人が銘々皿(呑水。「とんすい」)に取って食べるという卓袱スタイルが普及したようである。
カレーシチューも鍋で調理するが、それを「鍋物」とはあまり云わない。
すき焼き鳥の水炊き湯豆腐などは代表的な鍋物ではあるが、「鍋物」の上位概念としての「鍋料理」という概念は広がりつづけているため、鍋物は日本国中に多様な地域文化を構成しているので何を「鍋物」とするかは厳密には定義できない。たとえば「ジンギスカン鍋は『鍋物』なのか?」「柳川鍋は?」といった疑問は残る。
鍋料理は「煮込む」ものという印象も持たれがちだが、いわゆる(「田楽」ではない)おでんは、下ごしらえをした具材を温め味付けするために、沸騰させずに保温するので、「おでんグツグツ」は誤解の原因となる。
沸騰直前まで加熱したのち保温しつつ一晩かけてゆっくり冷まして味を沁み込ませてからまた加熱する、といった調理法もある。

関連項目[編集]