野間の関所跡及び古井戸
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野間の関所跡及び古井戸(のまのせきしょあとおよびふるいど)とは、鹿児島県出水市下鯖町5023-1に存在する関所跡と古井戸である。
概要[編集]
米ノ津駅の北東およそ1キロの地点は江戸時代まで肥後国と薩摩国の国境を成していた。慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦い前後に島津義久の命令で設置された関所といわれている。
江戸時代に江戸幕府から仮想敵国にされてしまった薩摩藩は、国の防備を固めるために国境を越える本街道の要所に関所を設置し、さらにその左右の間道に辺路番所を巡らせて他藩と往来することすら厳しく監視した。これらには物資の密売買、キリスト教や一向宗などの宗教の取り締まり、密貿易及び藩内の機密保持も目的としていたと見られ、出水は陸海ともに国境の要地だったことから、その取り締まりは厳重だったといわれている。
江戸時代後期に高山彦九郎、頼山陽などは薩摩藩を訪れようとしていたが、この関所において入国を拒まれ、高山は「薩摩人いかにやいかに苅萱の関も戸ざさぬ世とは知らずや」と詠んでいるほどである。
現在では古井戸や関所跡の碑、そして説明版などが残されており、春には桜が咲く美しい公園となっている。