詰め将棋

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詰め将棋(つめしょうぎ)とは、王手の連続で玉が詰むように作ってある問題のことである。詰将棋とも表記される。問題に正解するには、玉を取る攻め手側は最短手順で持ち駒が全て無くなるように玉を詰まさないといけない。玉側は残りの駒全部を守りに使うことができ、なおかつ最長手順で逃げなければならない。3手から9手で詰むのが初級者向けの問題で、20手前後になると難問で上級者向けといわれている。

歴史[編集]

どうやら室町時代には既に詰め将棋のルールが確立されていたらしく、その後さほどルールに変更もないまま、江戸時代に本来の将棋とはやや違った形で詰め将棋としてのルールが独立完成したようだ。
ただし、この当時のルールは詰め上がりに駒余りが出たり、本手順よりも変化が長かったりなどの現代の現行ルールとは異なる部分が多かった。また、詰め将棋自体の立地も「将棋終盤における読みの練習(問題)」という意味合いが強く、単独で遊ぶゲームとしての意味は薄かったようである。
棋譜の残る歴史上最古の詰将棋は将棋一世名人として名を残す大橋宗桂の著した『将棋力草』の第1番に収録されている。
ルールは名人が代を重ねるごとに洗練されて行き、三世名人伊藤宗看の時代に詰め上がりの駒余りを廃止され、そして五世名人伊藤宗印の頃に詰め将棋は本将棋の練習という側面から脱却し、将棋から派生した独立したパズルゲームの立場を確立した。
七世名人伊藤宗看の時代が詰め将棋の黄金時代であり、この時代に宗看は高度、難解、かつ傑作と評される『将棋無双』を著し、また宗看の実弟伊藤看寿も『将棋図巧』を残している。
その後はやや衰退し、現代の戦後詰め将棋時代が「第二の黄金期」と呼ばれている。 現在はパソコンの普及と高性能化による「第三の黄金期」を迎えている。数理パズルに純化(昇華)しており、「余詰があってはならない」というルールもある。詰将棋作家にとってパソコンは強力な道具であり、「数理パズルとしての完成度」をチェックするのには欠かせない。ただし「自分で漏れがないかをチェックするのがいいんじゃないか?」という人もいて、自信をもってパソコンでチェックしたら余詰があって「パンクした …… orz」と落ちこむ人もいる。まぁ、趣味だし誰が迷惑するわけでもないから、生温かく見守るのが正解であろう。
なお、詰め将棋の最長手数記録は1,525手詰である。

例題[編集]

1手詰め[編集]

居玉
△持ち駒 残り駒全部
▲持ち駒 桂
答え
答え「▲4三桂 まで」
コメント「動けない玉は桂馬で詰ますのが効率的。」


中飛車と居玉
△持ち駒 残り駒全部
▲持ち駒 なし
答え
答え「▲3三馬 まで」
コメント「両王手の詰みは実戦じゃまず見ない。」


3手詰め[編集]

居玉
△持ち駒 残り駒全部
▲持ち駒 銀
答え
答え「▲5二馬 △同銀右 ▲4二銀(2手目△同銀左なら▲6二銀)まで」
コメント「初手に ▲5二馬 と急所に捨てるのが肝で、それ以外の手では詰まない。」


美濃囲い
△持ち駒 残り駒全部
▲持ち駒 金 桂
答え
答え「▲7四桂 △7一玉 ▲8二金(2手目△9二玉でも▲8二金)まで」
コメント「美濃囲いでよくある手筋。6二にも桂馬が効いていて逃げられない。あと ▲7四桂 に △同歩 は玉を角で射抜かれるので取れない。」


5手詰め[編集]

穴熊
△持ち駒 残り駒全部
▲持ち駒 桂 香 歩
ヒント「打ち歩詰めに注意」
答え
答え「▲9二歩 △同玉 ▲8四桂 △9一玉 ▲9二香 まで」
コメント「ここまで順に解いてきたら自然と分かるかと。」


矢倉
△持ち駒 残り駒全部
▲持ち駒 金
答え
答え「▲2一金 △1二玉 ▲1一金 △2二玉 ▲2一龍 まで」
コメント「矢倉で出てくる事がある形。桂馬の効きで玉が上部に上がれない。」


15手詰め[編集]

よくあるパターン
△持ち駒 残り駒全部
▲持ち駒 金
答え
答え「▲7一金 △6二玉 ▲6一金 △5二玉 ▲5一金 △4二玉 ▲4一金 △3二玉 ▲3一金 △2二玉 ▲2一金 △1二玉 ▲1一金 △2二玉 ▲2一飛成 まで」
コメント「手数は掛かるが単純なパターン。」


関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 詰将棋の歴史”. ようこそ山口家へ (2018年1月1日). 2018年3月26日確認。

外部リンク[編集]