蛍大名

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

蛍大名(ほたるだいみょう)とは、征夷大将軍との縁戚関係から、大した実力も無いのに出世した大名武士のことを指す。

概要[編集]

江戸幕府創設期には、徳川秀忠正室であるお江の実姉・お初(常高院)の夫である京極高次などが、その縁戚関係から本来なら敗将であるにも関わらず、関ヶ原の戦いの後に大名として所領を加増されて栄進している例がある。その後も、江戸幕府では征夷大将軍の母方の縁戚、すなわち外戚が大名や旗本として取り立てられる事例が相次いだ。特に第5代将軍・徳川綱吉の時代にはその生母・桂昌院の弟・松平宗資常陸国笠間藩5万石、兄の孫に当たる本庄道章美濃国岩滝藩1万石に取り立てられているのが、その代表的な事例である。しかし、綱吉以降は外戚などが大名に取り立てられる事例は抑えられ、出世しても大身の旗本になるくらいとなった。ただし、その中でも中野碩翁(第11代将軍・徳川家斉側室養女お美代の方を嫁がせた)のように、旗本ながら幕閣すら凌いで権勢を振るうような者も出ている。

蛍の由来は、蛍の尾の部分を光らせる、すなわち、将軍の寵愛を受けた正室や側室の生家がそれにより取り立てられることを由来としたものである。