出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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(はしけ)(英:barge)は、主に短距離で使われる貨物運搬用の平底の船舶である。

概要[編集]

艀は内海内、河川など水深が浅く穏やかな水域で使用することを前提に、平底であることが多い。また、多くの艀は航行用の動力を持たない非自航船で、タグボート押船曳航押航されて航行する。

種類[編集]

艀は多くの種類に分けることができ、船倉を有するばら積み形式のもの、を装備するもの、しないもの、浚渫土などの土砂運搬専用の土運船コンテナ輸送専用のコンテナバージ、船倉等はなく甲板があるのみの台船などがある。
また日本語では、明確な定義はないものの、上から見ると長方形のものは「バージ」と呼ばれ、船首や船尾が丸くなっているものは「達磨船」(だるまぶね)とも呼ばれることがあり、狭義では後者のみを「艀」ということもある。
このあたりは明確な定義付けがされておらず、企業地域個人の認識によって意味が変わってくる可能性があり、この項目に書かれていることが正しいとは限らないため注意願いたい。

歴史[編集]

かつては、現在のようにコンテナ輸送が主流ではなかったため、海上輸送はばら積み船によるものがほとんどだった。また、特に昭和頃までの日本では、浚渫港湾施設の整備が追い付かず、直接大型船の荷役ができる埠頭が限られていたこともあり、大きな貨物船("本船"とも呼ばれる)は港の沖合に停泊し、本船と港や河川の間で艀を行き来させ、積み替えて積み降ろしを行うという方法が一般的だった。
東京港大阪港をはじめとする港町では、海運水運業を営むべくして個人で艀を購入し、それを住処と兼ねて船上で生活する水上生活者が多かったが、現在日本では個人で艀を所有する者は少なくなり、単純に艀輸送も減ったため水上生活者はほとんどいないと思われる。

現在[編集]

コンテナ船による海上輸送が主流となった2025年現在では、クレーンなどの港湾施設が整備され、浚渫も十分に行われ、大型船が直接岸壁に接岸して荷役を行えるようになった結果、艀による輸送は大きく減少した。
とはいえ、昔と比べ少なくなったというだけで今も多くの艀が活躍している。国内では神戸港瀬戸内海横浜港や東京港、都内河川などで多くが運用されている。
また、河川は海と比べると圧倒的に水深が浅いため、内陸水運で使われる貨物輸送用の船はほとんどが艀である。内陸水運が活発なヨーロッパなどのユーラシア大陸アメリカ大陸などでは、河川を多くの艀が航行しており、特にヨーロッパでは自航式のものも多い。

関連項目[編集]