種牡馬

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

種牡馬(しゅぼば、stallion)とは、繁殖用の牡馬(オス馬)のこと。俗に種馬(たねうま)とも言う。

概要[編集]

一般に畜産では人工授精が広く行われているが、馬産、特にサラブレッドは自然交配しか認められていないと国際血統書委員会で定められている。遺伝子の一極集中が進み、競技の娯楽性が失われるおそれがある為とされている。

種牡馬になれる牡馬は競走馬の場合、条件は繁殖牝馬のそれより厳格で[1]、現役時代に顕著な成績を収めた馬である。しかし判断材料は競走成績だけでなく、持っている素質や近親(特に兄弟姉妹)に活躍馬がいるなどの点も材料になる。近親に活躍馬が居たという理由で種牡馬入りした事例としては1977年の皐月賞を制したハードバージの弟であるマチカネイワシミズ、2008年の優駿牝馬を制したトールポピーの兄であるフサイチホウオーなどがある。なお競走成績を残せても馬産地の需要や病気、体質などを理由に種牡馬入り出来ない場合がある。

種牡馬は専用の牧場(種馬場・スタッド)で繋養され、シーズン中は繁殖牝馬相手に種付けを行い、シーズン外は体作り運動などをして過ごす。ゴールドシップチャイナロックなど、種牡馬生活が性に合った馬にとっては極楽のような暮らしだが、種付けが苦手な馬にとっては地獄のような苦しみとなる。

種牡馬になれる馬は競技馬全体の1割にも満たず、残りの選定されなかった個体は去勢される。種牡馬でも天寿を全うできない馬も少なくなく、引退後食肉処理される馬もある。

シャトル種牡馬[編集]

北半球と南半球の季節のズレを利用し、南半球が種付けシーズンの時に北半球の種牡馬を南半球の馬産地へ種牡馬を送って種付けさせる、逆に北半球が種付けシーズンの時に南半球の種牡馬を北半球の馬産地に送って種付けさせることがある。これをシャトル種牡馬と呼ぶ。同じ国・馬産地の中で複数の異なる種馬場を行き来して種付けを行う種牡馬もシャトル種牡馬と呼ぶ時がある。

関連ページ[編集]

注釈[編集]

  1. サドラーズウェルズの全弟のフェアリーキングミホノブルボンの父マグニテュードなど未勝利でもなれた例もある