直会
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直会(なおらい)とは、神事の一種である共食儀礼である。
昨今ではアレルギーの問題や、アルハラの問題もあれば新型コロナウィルス感染症以来の「個食」「黙食」の問題もあるのでやや忌避されがちである。
とはいえ、日本の食文化においては高知(土佐)の伝統料理である皿鉢料理や長崎の「和華蘭(わからん)料理」のような卓袱料理、辨當(弁当)などにも影響を与えていることから、和食の文化においては重要である。
概要[編集]
「神に捧げた神饌の『お下がり』を皆で共に食すこと」を本来はいうため拝殿で行うことがかつては一般的であったらしいが、別の場所に宴席を設けてお札などを上座に置いて行う略礼もある。あるいは神官や年長者を上座に迎えて挨拶や乾杯の音頭をとることもあれば、お札ではなく神楽面を掲げるなどの形式もある。
タブーとしては、茶碗(飯茶碗)や箸のような(あるいは湯呑茶碗のような)「属人器」を用いないことがある。使い捨ての器や割箸、プラスチック製のフォークやスプーンなどはOKであり、共用の器はOKである(箱膳や応量器は属人器なのでNG)。とはいえ幼児用や老人介護用のスプーンや箸などはOKである。
皿鉢料理や卓袱料理の場合、「呑水(とんすい)」「散蓮華(ちりれんげ。「チリリンゲ」ともいい、「レンゲ」とも呼ばれる)」などが多く用いられる。なお、割箸は食事を終えたあとにへし追って取り皿の上に投げるように置くというのが通例である。中座する場合は、上座に対して一礼すれば問題はない。終了(「お開き」ともいう)の際には、締めとして「一丁締め」「一本締め」「三本締め」などを行ない、世話人が音頭を取ることが多い。