目黒女児虐待死事件

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目黒女児虐待死事件(めぐろじょじぎゃくたいしじけん)とは、平成30年(2018年3月2日に発覚した虐待死事件である。

概要[編集]

平成30年(2018年)3月2日、東京都目黒区アパートから救急搬送された女児C(当時5歳)が病院で死亡する。警視庁は翌3月3日傷害の容疑で父親のAを逮捕した。同年6月、Aは保護責任者遺棄致死の容疑で再逮捕されるが、この際に母親のBも逮捕した。

両親(特に父親とされる)は娘に対し、苛烈な食事制限と常習的な暴行をしていたとされ、その虐待の酷さは社会問題化した。虐待の発覚を恐れて病院にも連れていっておらず、平成30年(2018年)1月下旬から女児の顔を殴ったり、十分な食事を与えたりしないなどして衰弱させたが、この期に及んでも医療措置を受けさせず、3月2日の時点では既に手遅れだったという。食事制限でCの体重は1か月余りの間に約25パーセントを失い、異常な痩せ方をしていたという。2月24日から2月26日にかけては父親AがCに対して風呂場で馬乗りになってシャワーで冷水をかけ、さらに顔を多数殴る暴行を加えたという。女児Cは亡くなる直前、ノート片やメモ帳に「ゆるしてください おねがいします」などと綴っていたという。

母親Bは令和元年(2019年9月にAの暴行を知りながら容認していた(ただしAによる心理的ドメスティックバイオレンスDV)を受けていたとされる)として懲役8年の判決を受けて控訴した。令和2年(2020年9月8日東京高裁で行われたBの控訴審判決(裁判長・若園敦雄)で「元夫AによるDVを考慮しても、虐待への関与が低かったとは言えない」と判断、Bは当日の公判には出廷しておらず、懲役8年の1審判決を支持して弁護側の控訴を棄却した。

父親Aは「苛烈な食事制限と常習的な暴行を主導した」として、弁護側の懲役9年が妥当であるという主張に対し、東京地裁は令和元年(2019年)10月15日に懲役13年の判決を言い渡した。

影響[編集]

この事件により、厚生労働省の専門委員会は平成30年(2018年)10月、家族の転居に伴う香川県東京都児童相談所間の引継ぎが不十分だったとの報告書をまとめ、さらに親による子供への体罰を禁止し、児童相談所の体制強化を盛り込んだ改正児童虐待防止法が令和元年(2019年)6月に成立することになった。