滝戸ゆき緒
滝戸 ゆき緒(たきど ゆきお、1971年2月13日 - )は、日本の男性弁護士。
来歴[編集]
1989年(平成元年)3月、岡山県立岡山芳泉高等学校を卒業、2年間の浪人生活を経て、1991年(平成3年)4月、早稲田大学法学部入学。大学3年及び4年期のゼミの専攻は刑事法で元東京地方検察庁特捜部長河上和雄早稲田大学客員教授(当時)の指導を受けて、司法試験挑戦の意思を固める。1995年(平成7年)早稲田大学法学部卒業、3年間の司法浪人にいたる。このころは、上記河上和雄弁護士の指導と併せて、元東京高等裁判所所長判事の石丸俊彦早稲田大学客員教授(当時)の刑法答案作成の指導を受ける。1997年(平成9年)、司法試験合格。1998年(平成10年)4月、最高裁判所司法研修所に司法修習生として入所(修習52期)。刑事法に関する深い知識と河上和雄弁護士の斡旋もあり、検事任官の内定があったが、それを辞退して、渉外弁護士(いわゆる国際弁護士)の途を進むべく、2000年(平成12年)4月、第二東京弁護士会に弁護士登録(登録番号:27599)。いくつかの国内外の有名大型ビジネス及び知的財産系法律事務所の勤務を経て、2007年(平成19年)に自己の事務所を設立して独立。2015年(平成27年)7月に鈴木利治法律事務所に発展的に解消、現在に至る。
取り扱い分野[編集]
国内外のビジネス及び会社法務全般、国際取引および国際民事訴訟法、総合危機管理対策、独禁法事件、特許を含む知的財産権紛争、航空機、乗用車、医療による事故(これらの事故は加害者側又は被害側のいずれも受任する)、裁判員裁判も含む刑事事件(告訴・告発の代理も扱う)、家族法(遺産相続や離婚事件を含む)などである。
公表されている著名事件[編集]
- 東京地判平成13年9月1日 平成12年(ワ)第9657号 特許権侵害差止等請求事件(ガンの体外診断用医薬品の特許につき非侵害の結論を導き出した事例)
- 東京高判平成15年6月23日 平成14年(行ケ)第490号 商標登録取消決定取消請求事件(日本の服飾業者が登録した商標の取消決定の取消請求に対して、国すなわち特許庁に外国の服飾業者、ポロ・ラルフローレンを代理して補助参加して商標の取消決定申し立ての棄却を維持した事例)
- 海外のエアラインの海外の空港における離陸滑走中の機体の爆発炎上につき、 死亡した唯一の日本人乗客の遺族を代理して、同エアラインと損害賠償請求を交渉の末、同エアライン相手取って、東京簡易裁判所に調停を申し立てるという、航空事故の法的紛争としては、異例の奇策を講じ、同弁護士の豊富な航空機知識と実際の航空機の操縦経験を背景に、同エアラインが提示していたよりもはるかに高額の賠償金を支払う旨の勝訴的合意に達することに成功。
- 最決平成21年6月29日 平成21年(あ)第328号 建造物侵入及び窃盗被告事件(パチスロ機のゴト行為の窃盗罪の成立範囲を縮小して一部無罪を獲得。同判例は、「平成21年度重要判例解説」(183ページ)に掲載。
- 2010年(平成22年)9月13日、東京地方裁判所民事第27部(交通事故専門部)において、交通事故の被害者側を代理して、交通事故のいわゆる"むち打ち"について、現在、医学界及び法曹界で議論が進行中の低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)が原因であることを精密に主張し、同症候群が原因であることが明記され賠償額も加害者(損保会社)の提示する5倍以上の和解金を認めた勝訴的和解を東京地方裁判所にて獲得。
弁護士業務以外の活動[編集]
- 市販のスポーツカーであるHONDA S2000をレース向けにチューンアップして、国際規格のサーキットにおけるスポーツ走行やアマチュアのレース活動に積極的に参加している。2006年(平成18年)にツインリンクもてぎを皮切りに、鈴鹿サーキット及び富士スピードウェイのサーキットライセンスを保有している。
- 各種映画やアニメにも造詣が深く、弁護士としての専門分野にエンターテイメント法務も加える背景となっている。
- 航空機や戦車や軍艦やアニメなどの模型を自ら製作したり、本業の多忙さゆえに模型製作代行業に外注して、模型やフィギュアの収集にも熱心である。
懲戒処分[編集]
受任した賃料減額交渉事件について相手方である懲戒請求者と交渉するにあたり2009年12月11日、事前に被懲戒者の面会申出を断っていた懲戒請求者の事業所を訪問して「お前もがめついのぉ」「うるせえな」「このばばぁがさ」等の極めて品のない言葉遣いを繰り返し、さらに懲戒請求者を威迫するような発言を行ったことを理由に、第二東京弁護士会から2012年3月21日付で戒告の懲戒処分を受けている。(自由と正義2012年7月号109頁)