渡辺勝正

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渡辺 勝正（わたなべ かつまさ、1937年（昭和12年） - ）は、日本の歴史家、出版人。大正出版株式会社の代表者。杉原千畝研究会代表。

来歴・人物

山口市生まれ。1961年、早稲田大学商学部、文化学院デザイン科卒業。宣広社美術部、大日本印刷CDC事業部、森永製菓デザイン室を経て、大正出版社長。1995年、三井賞受賞。財団法人日本郵趣協会審査委員会顧問、杉原千畝研究会代表。財団法人防長倶楽部会員、日本家系図学会会員、全国渡辺会会員、日本郵趣協会会員。

杉原千畝や山本勘介を研究している。小学館から出版された『日本大百科全書：ニッポニカ』の「山本勘介」の項目を執筆した。

著書『真相・杉原ビザ』では杉原を顕彰しつつビザ発給は訓令違反ではなかったと主張する「日本イスラエル商工会議所」会頭藤原宣夫らの活動や、歴史学者ヒレル・レビンの著書『千畝』を厳しく批判している。

2013年に当時の麻生太郎副総理兼財務相が改憲についてナチスの「手口に学んだらどうか」と発言した問題では、渡辺は『東京新聞』で「世界から信頼される国になろうとした杉原の行為を無にした」とコメントした。

活動など

杉原千畝の業績を伝える活動に関わっている。

• 1998年にイスラエルで杉原千畝の切手が発行された。切手愛好家でもある渡辺が1995年にイスラエル郵政公社から相談を受け、杉原の写真を遺族の了承を得て郵政公社に渡したという。
• 市民グループ「杉原千畝サクラの会」代表を務める。同会は杉原の出身地岐阜県八百津町やリトアニアの首都にある「スギハラ通り」、旧日本領事館などに桜を植樹している。
• 俳優の水澤心吾は、2007年から渡辺の同名の著書を原作とした一人芝居「決断—命のビザ」の公演を行っている。水澤はこれによって2008年に米国連協会の人権賞「エレノア・ルーズベルト賞」を受賞した。
• 2008年、福井県敦賀市に「人道の港・敦賀ムゼウム（資料館）」が開館した。渡辺は開館準備で展示資料の助言を行った。
• 杉原をテーマとしたミュージカル「SEMPO -日本のシンドラー 杉原千畝物語-」（2008年初演）、オペラ「杉原千畝物語 オペラ 人道の桜」（2015年初演）の監修を務める。

著作

• 『武田軍師山本勘介の謎』 新人物往来社、1988年
• 『決断・命のビザ』 編著、杉原幸子監修、大正出版、1996年
• 『真相・杉原ビザ』 大正出版、2000年
• 『杉原千畝の悲劇――クレムリン文書は語る』 大正出版、2006年
• 『山本勘介の謎を解く――毛利文書は語る』 大正出版、2007年

監修

• 『杉原千畝――六千人の命を救った外交官』 あべさよりまんが、稲垣收シナリオ、小学館（小学館版学習まんが人物館）、2001年
• 『杉原千畝物語オペラ「人道の桜」――リトアニア国立劇場世界初演ガイドブック』 杉原千畝物語オペラ「人道の桜」制作委員会、2010年

雑誌

• 渡辺勝正 「山本勘介は大内家臣だった」『姓氏と家系』第54号、1988年11月
• 渡辺勝正 「外交官 杉原千畝,松岡洋右 (日本の巨人・超人・傑物大図鑑 ; 日本の"怪物"紳士録)」『歴史読本』42巻6号、1997年6月
• 杉原誠四郎・渡辺勝正 「杉原千畝「命のビザ」の真相--外務省関係者や一部学者たちによる「杉原ビザ」を貶める風聞の数々を徹底的に検証する」『諸君!』32巻11号、2000年11月
• 渡辺勝正 「三国同盟と杉原ビザの意外な関係」『歴史街道』2001年3月号、2001年2月
• 渡辺勝正 「讃岐に生まれ、大内氏に仕えた？文書と伝承から前半生の謎を解く」『歴史街道』2007年2月号、2007年1月
• 渡辺勝正・山田純大 「杉原、小辻、そして…なぜ「命のビザ」のリレーが実現したのか 」『歴史街道』2013年11月号、2013年10月
• 渡辺勝正 「真の国益を問うた外交官・杉原千畝の実像を正しく後世に伝えるために」『歴史街道』2016年1月号、2015年12月

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外部リンク

• 大正出版