清水市
清水市(しみずし)はかつて静岡県に存在した市。廃止時点の清水市は、現在の静岡市清水区の旧蒲原町と旧由比町を除くほぼ全域にあたる。2003年の旧静岡市との新設合併(建前)により消滅した。
概要[編集]
古くから市域は、清水港を擁する港町・清水と宿場町、鉄道駅のあった江尻を中心に栄えてきた。清水港は貿易港で、緑茶の輸出も行われている。また、『ちびまる子ちゃん』の原作者さくらももこの出身地、清水エスパルスの本拠地としても知られる。
1924年に、清水町、入江町、不二見村、三保村が合併して清水市が発足する。その後、周辺の町村を編入していき市域は拡大するが、2003年に旧静岡市との新設合併により消滅し、(新)静岡市が設置された。2005年に静岡市が政令指定都市の指定を受けると、旧清水市域に行政区として清水区が設置された。
変遷[編集]
- 1924年2月11日:清水町、入江町、不二見村、三保村により清水市発足。
- 1952年2月1日:清水港が国際拠点港湾の指定を受ける。
- 1954年2月11日:庵原郡飯田村を編入。
- 1955年4月1日:安倍郡有度村、庵原郡高部村を編入。
- 1958年4月1日:旧静岡市境変更、市域の一部が旧静岡市へ編入。
- 1961年6月29日:庵原郡興津町、袖師町、庵原村、小島村、両河内村を編入。
- 1993年1月1日:旧静岡市境変更、市域の一部が旧静岡市へ編入。
- 2003年4月1日:旧静岡市との新設合併により清水市消滅、新たに静岡市が発足。
- 2005年4月1日:静岡市が政令指定都市に指定、行政区として清水区設置。この際、旧静岡市境付近で葵区、駿河区に区割りされた地域が生じた。
静清合併[編集]
旧静岡市と清水市との合併は静清合併(せいしんがっぺい、せいせいがっぺい)と呼ばれる。静清合併については否定的な意見が多く、チャクウィキでは、「平成の大合併の悲劇」などと称される。建前としては新設合併であり、合併前の旧静岡市でも閉市式が行われ、新たな静岡市旗・市章、市歌の制定も行われている。しかしながら、実態としては「静岡市による清水市の編入」と呼べる。また、合併により、元々巨大だった静岡市がさらに膨張し、現在では同じく巨大な浜松市とともに、「大静岡市」、「大浜松市」とも呼べる大きさである。
経緯[編集]
新市名決定の際に一般公募が、行われ、「静岡市」「駿河市」「清水市」と候補があがった。旧静岡市側は「静岡市」を、清水市側は「駿河市」を主張した。県知事の意向も入り、合併協議会の委員による投票の結果、わずか2票差で新市名は「静岡市」に決定した。また、合併後、清水市内の地名全ての頭に「清水」と加える改称を行うことも決定した(〇〇町→清水〇〇町など、清水区設置後に元に戻される)。
静清合併について住民の理解はあまり得られなかったようだが、地名としては残っている。
静岡市による清水市併合のプロパガンダ[編集]
ちなみに、さくらももこが静岡市に寄贈し、静岡市清水区の清水駅前に設置された「ちびまる子ちゃん」が描かれたマンホールには、「清水区」でも「静岡市清水区」でもなく、単に「静岡市」と表記されている。また、静岡市内には、ちびまる子ちゃんの絵とともに「静岡市はいいねぇ〜」というセリフが描かれているイラストがある。これらについて、SNS上では、ちびまる子ちゃんが、静岡市による清水市併合の事実上を突きつける屈辱的プロパガンダに利用されているという批判もある。