氏郷記
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氏郷記(うじさとき)とは、安土桃山時代の武将である蒲生氏郷の1代記である。
概要[編集]
著者・成立年代[編集]
著者は蒲生氏郷の家臣だった満田出雲守安利で、成立年代は江戸時代前期の元和7年(1621年)。氏郷の没後から26年ほど後のことである。当時、安利は氏郷の孫で会津藩主だった蒲生忠郷に仕えて町奉行を務めていた。ただし、奥書などを見ると、安利だけが著したものではなく、安利が書いたものに蒲生氏の一族である神戸道門が加筆して完成したものだといわれている。
なお、安利がかつての主君の1代記を記録した動機は、これより前に氏郷の1代記として出回っていた『蒲生飛騨記』が偽りばかりの駄作だったことを無念に思い、同じような仲間の要望により書いたのだといわれている。
別称は『蒲生氏郷記』(がもううじさとき)。
内容[編集]
全1巻。蒲生氏郷の1代記で、著したのがその家臣ということであるから、氏郷の誇るべき功名や業績などが年代を追う形で1つ書きされている、1代記というより、エピソード集といえるものである。
冒頭は永禄11年(1568年)、蒲生氏が織田信長に臣従した際、稲葉一鉄から評価され、信長からも認められてその娘婿に迎えられたことがまずは記されている。その後は信長時代の活躍、そして豊臣秀吉時代の活躍の記録などが書かれている。奥羽仕置後、氏郷が会津の太守になると、伊達政宗と対立したあたりまで描かれている。