毎月勤労統計の不正調査問題
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毎月勤労統計調査の不正調査問題(まいつききんろうとうけいのふせいちょうさもんだい)とは、民間企業の賃金などを把握するため行なっている統計で、厚生労働省が不正な調査手法を取っていた問題である。東京都には調査対象がおよそ1400事業所あるが、平成16年(2004年)からは3分の1程度しか実際には調査が行なわれておらず、集計後の平均給与額は実態よりも低くなっており、全国の平均給与額など統計全体に影響した。統計を基礎に算出している失業給付などは不当に額が低く抑えられていたことになる。政府は過小給付の対象者に対しては追加支給する方針であり、関連費用およそ795億円を盛り込み、1月18日に2019年度予算案の閣議決定をやり直している。
しかし調査結果に統計上の処理を施すプログラムは厚生労働省の職員が手作業で修正を繰り返したりするなど、外部の目が入らない閉鎖的な状況でプログラムを改変する慣行が長年にわたる不正調査の温床となった可能性があるなど、影響は拡大している。
経緯[編集]
- 1996年以降 - 全国のおよそ3万3000事業所を対象と公表しながら、実際はおよそ3万事業所しか調査していない。
- 2004年1月 - 東京都分で従業員500人以上の事業所を一部抽出する調査を開始する。
- 2016年11月 - 総務省統計委員会で「今後も現状と同様、全数調査で行なう予定」と事実と異なる説明を行なう。
- 2018年1月 - 全数調査に近づける統計上の修正処理を導入したが、経緯を公表せず。
- 2018年6月 - 政策統括官付参事官の名で神奈川県・愛知県・大阪府の3府県に通知を出し、2019年から抽出調査への切り替えを打診する。
- 2018年12月 - 総務省からの指摘により、不適切調査が判明し、3府県への打診を撤回する。