厚生労働省の統計不正問題

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厚生労働省の統計不正問題(こうせいろうどうしょうのふせいとうけいもんだい)とは、平成31年(2019年1月に発覚した政治問題である。

概要[編集]

企業賃金労働時間を把握する毎月勤労統計で厚労省が不正な調査をしていた問題である。東京都の対象事業所のうち、平成16年(2004年)から3分の1程度しか調べておらず、集計後の平均給与額が実態よりも低かった。統計を基本にして算出する雇用保険や[労災保険]]などの給付額が低くなり、延べおよそ2015万人に過少支給が発生したとされている。有識者による厚労省の特別観察委員会によると1月22日、設置から1週間足らずで検証報告書を纏め上げたが、これは「拙速」であるとして批判が出た。賃金構造基本統計でも不適切な処理が発覚している。さらに聴取にしても厚労省の身内だけで7割と杜撰な聴取が明らかになっており、問題解決がさらに問題化している。

経緯[編集]

  • 2018年
    • 12月27日 - 厚労省の監察チームが事情聴取し、全員に対し身内職員が実施したとされている(2019年1月14日まで)。
  • 2019年
    • 1月16日 - 外部有識者による特別監察委員会が厚労省の職員に対する聞き取りを開始する。この際に官房長の定塚由美子が元職員1人の聴取に同席していたという異例の事態であった。
    • 1月19日 - 厚労審議官の宮川晃が2人の職員の聴取に、定塚由美子が4人の職員の聴取に同席するという異例の事態。
    • 1月20日 - 宮川が1人の職員の聴取に同席。
    • 1月21日 - 監察委員会が職員への聴取を終了したとされる。
    • 1月22日 - 監察委員会が「組織的な隠蔽は認められず」という主旨の報告書を取りまとめる。原案は厚労省が作成し、厚生労働大臣根本匠が幹部22名を処分し、自身も給与を返納する。
    • 1月28日 - 宮川と定塚の聴取同席が発覚する。
    • 1月29日 - 監察チーム、監察委員会が聴取した合計37名のうち、およそ7割に当たる25名が身内職員だけで実施と判明する。根本が調査の全面やり直しを表明する。

関連項目[編集]