標準語

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このページでは標準語(ひょうじゅんご)について記述する。
標準語とは、正格とされる文法があり、正書法があり、正典において用いられる言語であり、学校の授業で「これが正しい」と教えられる言語である。古くは古代メソポタミアで公文書において用いられたアッカド語がある。サンスクリット語なども標準語に含められるかもしれない。ある程度の使用者がおり、共通語としても使われることが条件のひとつでもあり、数式などは標準語に含められるかもしれない。

概要[編集]

世界的に見ると標準語イコール共通語とする学者もいる。たとえばデンマークの言語学者イェスペルセン(Otto Jespersen。1860-1943)は、標準語について「理解しやすく、かつ現代社会の習慣や規範にかなった、正しく美しい言語で、たとえばその発音を聞いても、どの地方のものであるか判定しにくいようなもの」などと述べている。
したがって標準語とは「理想的な規範に適ったもの」という主張であり、「日本語の標準語は京都弁である」という話はそれなりに筋が通っている。
北米のネイティブアメリカンの共通語手話であったが、手話には現代でも(国際的には)標準語としての手話は存在せず、強いていえば日本国内では「日本式手話」が標準語である。「ネイチィブ・サイン・ランゲージ」は世界中にそれぞれ存在し、統一的な「手話の標準語」を定めようとする試みは常に失敗している。
ただし、「方言を避け、“標準語”を使うのがマナーである」とする風潮は日本全国で根強い。この風潮に対し不満を持つ人は、利用者:Marmarayをはじめとして、特に近畿地方で多い。
地域の共通語を「標準語」とする人も多く、東京の共通語を大阪で用いると「江戸者が」と蔑視されることもある。
世界の多くの国家は法律で公用語を定めている。そのうち主要なもの(公用語を複数定めている国家も複数ある)は首都周辺の方言をベースに制定されるが、イタリア語ではフィレンツェ周辺の言葉がベースとなるなど例外も多い。ドイツ語は複雑で、書き言葉はエアフルトライプチヒあたりの言葉がベースであるが、話し言葉はハノーファーの方言に近いとされる。
スペインではいわゆる「スペイン語」以外にカタロニア語がある。

日本の標準語[編集]

日本語には標準語はない。あるとすれば「敬語」がこれにあたる。
日本には共通語はあっても標準語はなく、強制力もなければ「これが標準語である」といった定義もない。よって日本語処理は「共通語処理」であり、かなり広い範囲をカバーしなければならなくなる。日本語の形態素解析などを参照のこと。
江戸時代には参勤交代があり、各藩の侍が江戸に出府してきて、津軽藩士と薩摩藩士があわや斬り合いというときに、謡の心得のある藩士が節をつけて問うと、相手の藩士がやはり謡で答え、事が収まったという話が伝わっている。したがって、当時の侍言葉は、京都弁を核としたピジン語であり、町人の「江戸言葉」とは異なるため、「二方言並列」の状態にあったようである。
なお、日本語を公用語と定めているのは、世界で唯一パラオ共和国のアンガウル州である。

参考文献[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]