フィレンツェ
フィレンツェは、イタリアのトスカーナ州フィレンツェ県にある町である。
概要[編集]
イタリア中部にある国内第5位クラスの大都市で、トスカーナ州最大の都市である。都市圏人口は約80万人で、日本に例えると小さめの政令指定都市級である。中世に、メディチ家が銀行業で大成功し、豊富な財力で芸術を保護したことから、ルネサンスの文化の本場となった。ウフィツィ美術館が有名。現在のイタリア語の標準語は、フィレンツェをはじめとしたトスカーナ州の方言がベースとなっている。
地理[編集]
アルノ川沿いで、内陸部の盆地に位置している。旧市街はアルノ川北岸を中心に発達している。
カンピ・ビゼンツィオ | セスト・フィオレンティーノ | フィエーゾレ |
スカンディッチ | フィレンツェ | バーニョ・ア・リーポリ |
インプルネータ |
気候[編集]
温暖湿潤気候(Cfa)に属する。夏・冬とも、気温は銚子と近く、夏の気温が東京よりやや低い。
歴史[編集]
古代にはローマ帝国に属していた。その後、ゲルマン民族の大移動でパンノニア方面からゲルマン系の部族が進入、6世紀には東ゴート王国、7,8世紀にはランゴバルド王国の支配を受けた。ランゴバルド王国はフランク王国に滅ぼされ、9世紀以降はフランク王国、後に神聖ローマ帝国のトスカーナ辺境伯領となる。
1115年、フィレンツェが自治都市としてトスカーナ辺境伯領から独立、フィレンツェ共和国となった。独立したものの領土の拡大を続け、トスカーナ全体を支配する様になっていった。14世紀頃より、メディチ家が銀行業で大成功し、大富豪となった。1434年には、コジモ・デ・メディチがフィレンツェのシニョーレに就任、共和国の支配者となる。メディチ家は芸術の保護に力を入れ、芸術が発展、フィレンツェがルネサンスの本場となった。
フィレンツェ共和国はその後トスカーナ大公国となり、1860年まで存続し、サルデーニャ王国によるイタリア統一によりイタリアの一部となった。
交通[編集]
空港[編集]
都心から北西へ5kmの所にフィレンツェ空港があり、欧州各地を中心に直行便がある。ただし、70km西方にあるピサ空港の方が就航便が多い。
鉄道[編集]
都心部にあるフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅が最大のターミナル駅で、ミラノ、ローマ、ナポリへの高速列車が頻繁に発車する。ただし頭端型ターミナル駅のため、フィレンツェ市内に停車しない列車も多い他、一部は北西部のフィレンツェ・リフレディ駅に停車する。
市内には路面電車も2路線が運行していて、ウニタ停留場が都心のターミナル駅となっている。空港へのアクセスも路面電車が担っている。