新・駅弁ひとり旅〜撮り鉄・菜々〜

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新・駅弁ひとり旅 〜撮り鉄・菜々編〜駅弁ひとり旅』(えきべんひとりたび)は、櫻井寛(監修)、はやせ淳(作画)による日本漫画。『漫画アクション』(双葉社)に連載されている駅弁をテーマにした料理・グルメ漫画兼鉄道漫画兼紀行漫画である[1]。 前作の『駅弁ひとり旅』の続編にあたる。

概要[編集]

前作と同じく双葉社の旅をテーマとするウェブマガジン「TABILISTA」にて2016年より『駅弁ひとり娘〈撮り鉄・菜々〉編』の連載を開始。2019年には『新・駅弁ひとり旅〜撮り鉄・菜々編〜』として単行本を発売し、2020年に漫画アクション本誌に移行した。

駅弁を取り扱った漫画であるが、駅弁に分類されていない食堂車の料理なども含んでいる。「駅弁ひとり旅」というタイトルではあるが、主人公は多くの時間を行きずりの乗客などと共に旅をしており、あまり一人旅はしていない。

連載開始から数年経っても劇中での日数は100日程度しか経過していないが、ダイヤなどは常に最新のものが反映されている。連載が長期間にわたっているため、既に廃線となった路線や、終売した駅弁が紹介されているケースもある。

登場人物[編集]

主人公[編集]

前作で西日本編のバリューが少ない事から、特に話数が少ない九州・四国で続編をやることになり、主人公を前作のヒロインであった、菜々にした。
白鳥 菜々(しらとり なな)
女性雑誌記者。前作「駅弁ひとり旅」の初代ヒロインで、その時は尾崎菜々(おざき なな)であったが、中阪のいる会社を退職してフリーになったと同時に改姓している。駅弁フォトライターであるが、前作の大介と同じく鉄道グルメであれば駅弁でなくとも取材することもある。前作ではクローズアップされなかったが、本作では菜々の生い立ちが描かれる。
小学校入学の1か月後に父親を交通事故で亡くしている。その父は直方市の出身で、祖父が写真館を営んでいたことから、彼女はその影響で鉄道フォトライターになった。なお、改姓先の姓「白鳥」は第21話「鮎屋三代」の中で母親の旧姓であることが判明している。母親が夫(菜々の父親)の死後に旧姓「白鳥」に戻したが、菜々本人は父の姓「尾崎」のままであった。独立時に思い切って母の姓に改めたという。

菜々関係の主要人物[編集]

菜々と大きくかかわる人々。
中原 大介(なかはら だいすけ)
菜々の回想シーンに登場。前作で一緒に旅したのを懐かしむ。
斉藤
篠ノ井と一緒に「或る列車」を乗車取材に同行した、四つ葉出版の編集者。同じく篠ノ井と一緒に同行した香川を紹介。さらに菜々に平成筑豊鉄道「ことこと列車」の取材を依頼、有田駅でも再会。
更科
双葉新聞の編集者。菜々とは以前、面会したことが有る。菜々が別府駅を降りたところから取材の連絡を掛ける事が多く、四国に至るまで弾丸取材を強行させてしまう。「鬼セクハラなところは中阪と似ている、鉄道知識だけは彼の方が上。」と菜々はコメント。徳島唯一の駅弁がある観光列車「藍よしのがわトロッコ」の予約を駅弁と共に菜々名義で行い、セットで取材させた。

第1巻(九州・前編)[編集]

菜々は大分から出発し、久大本線、日田彦山線、後藤寺線、筑豊本線、山陽本線を乗り継いで新山口へ。
由布岳付近撮影場所の人々
観光列車「或る列車」を撮影する為、由布岳付近で撮影する菜々だが、その場にいた老爺に撮影の仕方を注意され、一緒にいた少年3人には痴漢されるなど、惨憺たる状態であった。その後、リベンジで来ると眼鏡のおじさんと別の老人が助言をしてくれた。
篠ノ井姫新(しののい きしん)
日本屈指のプロカメラマンで「或る列車」の乗車取材で料理をうまく撮影できない菜々を見かねて、広角レンズを貸してあげたことが有る。その後、日田駅で望遠レズを菜々にプレゼントした。
香川小舞子(かがわ こまこ)
篠ノ井と一緒にいた編集者が菜々に紹介したエッセイスト。門司港駅でも再会するが、菜々とは気が合わない様である。
「ゆふいんの森」乗客おじさん
日田で篠ノ井、編集者、香川と別れた後に乗車した「ゆふいんの森」で乗り合わせたおじさん。おじさんの食べていた「ゆふいんの森弁当」を見て注文して菜々も食す。その後「九州ラーメンのルーツは久留米」と教えたので、菜々は久留米で元祖ラーメンを食した。
宝珠山駅のお兄さん
菜々が降り立った宝珠山駅で、駅の風景を撮影していたカメラマン。「春が一番いい」とのこと。
後藤寺線の老爺
菜々の隣席にいた爺さん。香春岳と「dencha」のことを教えてくれた。菜々は直方から「dencha」に乗車することになる。菜々は直方駅で「dencha」のことを駅員に聞いて、教わった。
折尾駅の掛け売りおじさん
筑豊線折尾駅にて下車した菜々が、「かしわめし」を購入。
若戸渡船のおじさん
若松~戸畑で乗船したときに出会う。若戸大橋のことを説明してくれた。
九州鉄道記念館のおじさん
香川と別れて訪問した四大鉄道博物館の一つで出会う。もともと、九州鉄道(初代会社、JR九州の前身)の本社であることを説明してくれた。
門司・めかりの外国人グループ
平成筑豊鉄道レトロ線でめかり駅まで乗車した菜々が「無法松弁当」を食べていた処を、興味本位に見ていた。
下関駅のコンビニ店員
「ふくめし」を食べに菜々が尋くと、「下関にはないけど、新山口には有る」と教えてくれた。

第2巻(九州・中編)[編集]

新山口から出発し、山陽本線、鹿児島本線、長崎本線を乗り継いで長崎へ。
「やまぐち号」普通車の眼鏡男性
菜々がキャンセル待ちで手に入れたグリーン車をうらやましがった。
河合 賢一(かわい けんいち)
菜々が取材乗車する「ことこと列車」を運行する平成筑豊鉄道の社長。四つ葉編集者から菜々の事は知らせていたので、スムーズに取材が出来た。
ひろし
菜々と一緒に博多南線に乗車。本数が少なく家族で急いでいたもので博多駅で菜々とぶつかってしまった。
武雄温泉駅のおじいさん
菜々に「ここの楼門と東京駅は親戚ばい。」と説明、実は同じ設計者の辰野金吾が干支を二つの場所で分けていることが判明。
小嶺信介
長崎駅「鯨カツ弁当」の販売元「くらさき」社長。長崎駅で求めていた菜々の為に、売店の人が彼に確保を頼んだ。
キハ66系狙いのカメラ兄さん
引退間近のキハ66系目当てで諫早駅へかけつけてきた。

第3巻(九州・後編)[編集]

長崎から出発し、長崎本線、島原鉄道北目線、フェリー、三角線、肥薩おれんじ鉄道、鹿児島本線、日豊本線(途中バス乗り継ぎ)、日南線を乗り継いで大分へ出て、九州から四国へ向かう。
島原鉄道・諫早駅の駅員
諫早駅でこれから食堂車「しまてつカフェトレイン」に取材乗車する前に、島原鉄道愛を語ってくれた。
「A列車で行こう」の紳士
三角線のジャズトレイン「A列車で行こう」の「A」は「ありあけ」であることを説明。さらに船で天草へ同行。
頼藤浩(よりふじ ひろし)
八代駅の駅弁業者「より藤」の社長。名駅弁「鮎屋三代」の三代は彼の事。
おれんじ食堂の女性スタッフ
肥薩おれんじ鉄道の食堂車を営業している女性。菜々は「鮎屋三代」を食べる傍ら、こちらから飲み物を購入して飲む。
川内駅員
菜々が待っていた「さくら」(N800系)が「イケメンなので逢いに来た」と云われ、感激。
枕崎駅のおじいさん
菜々の為に写真を撮影してあげた。
山田まゆみ
予約購入して隼人駅で彼女から受け取った「花の待つ駅かれい川」駅弁の業者「森の弁当やまだ屋」の社長。
瀬戸山アイ
都城駅で「かしわめし」を予約購入するが、バスの時間都合の為に早く開けてもらった、「せとやま」のスタッフ。
南宮崎駅近くのおじさん
日南線列車を撮影していた菜々と出会い、撮影の仕方を教えてくれた。その後、宗太郎駅まで同行。
「36ぷらす3」の人々
宗太郎駅から乗車した観光列車で、菜々に予約昼食を渡した女性スタッフ、カメラレンズの話をした眼鏡おじさん。

第4巻(四国編)[編集]

更科からの弾丸取材依頼を受けて、早々に別府を離れて船で四国上陸。愛媛・八幡浜から徳島~香川~徳島~高知~香川と、四国を一周する旅。
「あけぼの丸」船員
別府~八幡浜で乗船したフェリーの船員。「揺れているのは豊予水道を通過中だから」と教えてくれた。
門田 征吾(かどた せいご)
愛媛の観光列車「伊予灘ものがたり・八幡浜編」で料理をプロデュースするシェフ。菜々は取材で彼の料理を食した。
琴電のおじいさん
琴平~瓦町(乗り換え)~志度で、菜々と一緒に乗り合わせた人。琴電の事に詳しい。
植松(うえまつ)
「藍よしのがわトロッコ」の乗客で、坊主頭の男性。「昭和の鉄道ファン」。彼も駅弁を予約購入して食した。
特急少年
阿波池田から乗車した特急列車「南風」の乗客。「南風」とDMVには詳しいが、そのあと一緒に乗車した「四国まんなか千年物語」のことはあまり詳しくない。
山口 由紀子(やまぐち ゆきこ)
菜々と特急少年は大歩危で途中下車。その駅前にある「歩危マート2号店」を営むほか、妖貝ほら吹き隊のメンバー。
藤本夫婦
「四国まんなか~」で食べた駅弁「おとなの遊山箱」を製造する味匠藤本を経営。「四国まんなか~」を見送りに来た。
坪内 政美(つぼうち まさみ)
阿波海南駅で初めて出会った鉄道カメラマン。DMVの説明をしてくれた。文子の知り合いで、高松へ向かう菜々の為に「彼女(ナナナ)に高松駅の飯、フォロー頼む。」と依頼され、菜々に駅弁を差し入れした。寝台特急「サンライズ瀬戸」で東京へ帰る菜々とは高松駅でお別れ。
半井 真司(はんい しんじ)
高知駅で坂本龍馬像を見入った菜々に声をかけてきた。実はJR四国竜馬会会長・JR四国会長で、菜々がこれから取材乗車する観光列車「志国土佐・時代の夜明けのものがたり」の名付け親。
山下 文子(やました あやこ)
窪川駅で菜々と初めて出会う、宇和島生まれの鬼北町育ち。職業はウェブコラムニスト。自称「四国新幹線」である観光列車「鉄道ホビートレイン」の話で意気投合、「文ちゃん」「菜々ちゃん」と呼び合う。彼女と一緒に予土線兄弟(列車、うち一つは鉄道ホビートレイン)を拝みに乗車。その翌日は菜々と宇和島デートするつもりが、更科に新たな取材を依頼されてキャンセル。彼女は更科を「鬼デスク」と憤慨。どうしても菜々とデートがしたい彼女は伊予大洲駅から「伊予灘ものがたり・道後編」で松山駅まで同行。
松岡 哲也(まつおか てつや)
五郎駅で出会った。「すまいるえきちゃん」と頭にいる「れっしゃくん」を生み出したJR四国のデザイナー。高松駅「すまいるえきちゃん」、「伊予灘ものがたり」の設計もしている。

作品中の季節感[編集]

この物語は、第1巻から主人公が九州から四国へ休みなく旅を続けているというもの。物語は単行本1冊で約1 - 2週間の時間が経過していると思われるが、登場人物の服装も雑誌掲載時の季節に合わせて変えられている。つまり半袖(腕まくり)だったのがコートを羽織っており、その逆もある。

書誌情報[編集]

  • 櫻井寛(監修) / はやせ淳(作画) 『新・駅弁ひとり旅 〜撮り鉄・菜々編〜』 双葉社 〈アクションコミックス〉、既刊4巻(2022年12月12日現在)
    1. 2019年3月12日発売、ISBN 978-4-575-85282-0
    2. 2020年12月10日発売、ISBN 978-4-575-85541-8
    3. 2021年12月27日発売、ISBN 978-4-575-85683-5
    4. 2022年12月12日発売、ISBN 978-4-575-85786-3

脚注[編集]

  1. 鉄道雑誌の出版物紹介コーナーで単行本を紹介する際、掲載誌名「漫画アクション」を誤解されジャンルを「アクション漫画」と紹介されたことがあるが本作にアクション要素はない。

外部リンク[編集]

駅弁ひとり旅
ジャンル 料理・グルメ漫画
漫画
原作・原案など 櫻井寛(監修)
作画 はやせ淳
出版社 双葉社
掲載誌 漫画アクション
レーベル アクションコミックス
発表期間 2005年 - 2012年
巻数 全17巻(本編15巻+東北編1巻+台湾・沖縄編1巻)
漫画:駅弁ひとり娘〈撮り鉄・菜々〉編
新・駅弁ひとり旅〜撮り鉄・菜々編〜
原作・原案など 櫻井寛(監修)
作画 はやせ淳
出版社 双葉社
掲載誌 TABILISTA
→漫画アクション
レーベル アクションコミックス
発表期間 2016年 -
巻数 既刊2巻(2020年12月10日現在)