平成9年台風第13号

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平成9年台風第13号(へいせい9ねんたいふうだい13ごう、国際名:Winnie / ウィニー、フィリピン名:Ibiang / イビアン)は、1997年8月に発生し、史上最も強風域のサイズが大きくなった台風である[1]中国東部に上陸して各地に大きな被害を出したほか、日本ではこの台風の暴風雨による災害が局地激甚災害に指定された[2]

概要[編集]

1997年8月9日、マーシャル諸島付近で形成され合同台風警報センター(JTWC)により熱帯低気圧番号14Wを付番された熱帯低気圧が、マリアナ諸島の東海上(北緯14度50分・東経155度)で台風13号となった[3][2]。台風は以後、勢力を強めながら日本のはるか南の太平洋上を西北西に進み続け、発生から3日後の12日には、マリアナ諸島の北で中心気圧915hPa・最大風速50m/s (100kt) にまで発達し最盛期を迎えた[4]。その後も北上を続け、16日には沖縄地方の東方海上へと進み、17日には勢力を維持して沖縄本島宮古島の間を通過[3]。そして台湾の北を通り、超大型で強い勢力で中国大陸東岸の長江下流付近に上陸した[3]。台風は20日に中国大陸(北緯35度10分・東経118度10分)で熱帯低気圧に変わった[2]

この台風の強風域・暴風域はともに非常にサイズが大きく、特に強風域の直径は2,350km(半径は南東 1550km・北西800km)に達し、台風の大きさの記録が残る1977年以降で最大となった。また暴風域の直径も830kmと巨大であり、1977年以降で3番目に大きい記録となっている。さらにこの台風は、直径370kmに達する極めて大きいを持っていたが、こちらも過去最大のものであった(1960年台風15号と並ぶ)[5][6]

被害[編集]

この台風は中国に特に大きな被害を出した。現地では台風により3,000人以上が負傷し、少なくとも300人が死亡した。この台風による合計の死者数が372人であるから、そのうちの大半は中国で死亡したことになる。台風が接近した台湾でも各地で大量のと強風に見舞われたほか、フィリピンでは台風による雨がモンスーンとあいまって被害が生じた。さらに日本でも、この台風によって死者1人・負傷者10人の人的被害に加え、半壊2棟・一部破損2棟・床上浸水5棟・床下浸水28棟などの被害が発生した[3]。そして局地激甚災害に指定された[2]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

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