平和記念公園殺人事件
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平和記念公園殺人事件(へいわきねんこうえんさつじんじけん)とは、2007年(平成19年)9月24日に広島県広島市中区中島町の広島平和記念公園でホームレスの男性(当時54歳)が殺害された事件。
犯人は知り合いのホームレス(当時63歳)であったが、その犯行動機は「所持金を使い果たし路上生活している生活に悲観し、自殺する勇気がないので死刑になって死にたい」というもので、死刑願望者による殺人事件であった。
通報から逮捕までの経過[編集]
- 2007年9月24日
- 午後11時20分-25分頃 - 「レストハウス前(平和公園)で50歳と見られる男性が血だらけ」という通報が入る。11時26分に広島県警が緊急無線で自動車警ら隊・機動捜査隊は全車出動態勢をとるよう指示。
- 午後11時20分-30分頃 - 広島市消防局の救急隊員が到着。
- 午後11時30分頃 - 広島県警の捜査員が到着。しかし救急車の車内は誰もおらず、傷病人を探す(数分後平和公園全体に捜索範囲を拡大した)。
- 午後11時30分-33分頃 - レストハウスから離れた公園で警官が救急隊員がストレッチャーを運んでいるのを発見。このとき心肺蘇生が施された(すでに心肺停止状態と思われる)。この時シーツが血で真っ赤に染まっており、傷病人の頸部に刺し傷があったのが確認された。
- 午後11時33分頃 - 本通交番にて血のついたナイフを持って来た者がいると無線が入り、機動捜査隊が向かう。
- 午後11時??分頃 - 本通交番にて自首しにきた男性が平和公園にて男性の首等を果物ナイフで切った旨を自認。男性に現場を案内させ、証言に整合性があるかどうかなどを調べるために、平和公園へ向かう。向かっている途中に広島消防の救急隊員から被害者の男性の意識・呼吸がないとの連絡が入る。
- 午後11時??分頃 - 現場にて犯行に及んだ状況などが調べられた。刺した部位と回数から男性に殺意があったことが推測され、容疑が殺人未遂とされた。
- 2007年9月25日
- 午前0時2分頃 - 搬送先病院から被害者男性が死亡したとの連絡が入る(死因は失血死)。 この時点で男性の容疑が殺人罪に切り替わった。
- 午前0時4分頃 - 男性を殺人罪で緊急逮捕した。身柄を広島中央警察署へ連行した。身柄拘束のため、被疑者が捜査員に手錠をかけられた際、手が激しく震えていた。
これらの出来事は2007年冬に放送された激撮!警察24時で偶然、広島県警察機動捜査隊の男性警部(事件発生後、本事件の現場指揮官)に密着していた最中に発生し、第1報から緊急逮捕までが放送された。(この項目についてもこの番組を参考とした)
裁判[編集]
公判で男は「殺害してよかった」などと発言[1]し、反省の色は全く示さなかったばかりか、早く死刑にするように迫った。これに対し検察側は被告人が望んだ死刑ではなく無期懲役を求刑した。
広島地方裁判所は2009年7月15日に求刑通り無期懲役を言い渡した。裁判官は検察側の求刑よりも厳罰、すなわち死刑にすることも可能であったが「国家の補助による自殺」に加担しなかった。主文と判決理由の言い渡し後に被告人は「死刑になりたいので控訴します」と宣言した。これに対し裁判官は「死刑になりたいと軽々しく言うのではなく、真剣に自分の罪の重さを考えなさい」と叱責した[2]。
なお、刑事訴訟法402条は検察が控訴せず被告人のみが控訴した場合には原審(一審)よりも重い刑罰を控訴審で言渡すことは出来ないとされている。そのため死刑になる可能性はほぼない。