山平重樹

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山平 重樹(やまだいら しげき、1953年 - )は、ノンフィクション作家、フリーライター。アウトローものを得意とする。

経歴・人物[編集]

山形県生まれ。高校在学中の1970年、三島事件に衝撃を受け、法政大学に進学後、民族派学生組織「日本学生同盟」(日学同)に参加。日学同の拠点校だった早稲田大学などで活動した[1]。法政大学文学部卒業後、アウトローをテーマとしたルポルタージュや小説を多数執筆。2002年に刊行した『ヤクザに学ぶ交渉術』は30万部を超えるベストセラーとなった。著書の多くはヤクザをテーマとしているが、戦前「神兵隊事件」などに連座し戦後は右翼の長老格であった中村武彦の評伝『或る日本主義者の半生』など右翼をテーマとしたものも執筆している。

1960年代後半に誕生した新右翼運動の流れを追った通史『果てなき夢――ドキュメント新右翼』は、鈴木邦男から「これ以上の本はない。これが全てだ」[2]菅野完から「早すぎた名著」[1]、版元の蜷川正大から「民族派の歴史を語る上で、最良の書」[3]と高く評価されている。菅野完によれば、同書はドキュメンタリー小説として書かれているため、『日本会議の研究』で引用するにあたって記述内容の裏付け調査を行ったが、結果はほぼ100%事実に基づいていたという[4]。知る人ぞ知る名著という存在であったが、日本会議の源流になったとされる椛島有三安東巌らの民族派学生運動について書いていたことから、2016年に始まった日本会議ブームの中で再評価を受け、2018年に新書で復刊された。復刊にあたり全体に加筆・修正され、新たに序「日本会議の源流」と、野村秋介見沢知廉三浦重周の最期を書いた終章「維新革命家の死(1991~2005年)」が付け加わっている。

右翼・新左翼に関する著書[編集]

  • 『野村秋介――人間ドキュメント』 二十一世紀書院、1988年8月
  • 『果てなき夢――ドキュメント新右翼』 二十一世紀書院、1989年11月
  • 『或る日本主義者の半生』 ネイション21廣済堂出版(発売)、1999年10月
  • 『最後の浪人阿部勉伝――酒抱きてけふも堕ちなん』 ジェイズ・恵文社恵文社(発売)、2004年3月
  • 連合赤軍物語 紅炎』 徳間書店(徳間文庫)、2011年2月
  • 『決死勤皇 生涯志士――三浦重周伝』 並木書房、2015年3月
  • 『激しき雪――最後の国士・野村秋介』 幻冬舎、2016年9月/幻冬舎(幻冬舎アウトロー文庫)、2018年10月
  • 『ドキュメント新右翼――何と闘ってきたのか』 祥伝社(祥伝社新書)、2018年1月

脚注[編集]

  1. a b 30年前の“新右翼本”に再評価 日本会議の「源流」とは? (1/2) 〈週刊朝日〉 AERA dot.(週刊朝日 2017年7月21日号)
  2. 鈴木邦男をぶっとばせ! 「見果てぬ夢」を見続けた男たち(2017年12月25日)
  3. 30年前の“新右翼本”に再評価 日本会議の「源流」とは? (2/2) 〈週刊朝日〉 AERA dot.(週刊朝日 2017年7月21日号)
  4. 菅野完『日本会議の研究』扶桑社(扶桑社新書)、2016年、294頁

外部リンク[編集]

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