完全5度
完全5度(かんぜんごど、英:Perfect 5th,Perfect fifth)とは、音程の一つ。略記はP5、単に5度、5thとも書かれる。音階(長調・短調共通)の第1音・第5音で、半音の数が7個分離れている2つの音で構成された和音。鍵盤数は8個。3音半。
周波数の比率は、平均律ではであり、ほぼ純正律の2:3と一致し、2:3にすごく近い。チューニングのセント単位は700セントであり、これに対し、周波数の比率が純正律の2:3は、下の音のチューニングを、「セント単位:0セント、ピッチ:440Hz」とすると、上の音は701.955セント=半音7+0.01955個で、ピッチは440.4971518761114Hz=約440.5Hzである。周波数の比率が純正律の2:3は、上の音のチューニングを、「セント単位:0セント、ピッチ:440Hz」とすると、下の音は-1.955セントで、ピッチは439.50340871772414Hz=約439.5Hzである。最も調和しやすい音程である。完全協和音程の一つ。第2倍音と第3倍音の組み合わせがこれに該当する。例として、ルートがAならラとミ、ルートがCならドとソ。コード(和音)で、メジャーコードやマイナーコードの第3音を省略したもの。第3音省略の記号は、メジャーコードでは「omit3」、マイナーコードでは「omit♭3」。完全5度が協和音なのは、第3倍音の作用による。
倍音列の2,3番目に現れる音をそのままとってきたもの。
完全5度になる組み合わせは、長3度と短3度、完全4度と長2度のいろいろな組み合わせが考えられる。
パワーコードの構成音に相当する。明暗は全くはっきりしない響きを持ち、その分強烈で厚みがあり、迫力感のある豊かな響きで、パワーを持ち、透明感と安定感があり、澄んだクリアな響きで、スッキリとした響きで、良い音がする。コードの安定性を決める音。五度圏で時計回りに一つ隣の音と組み合わせたもの。完全5度は、コードの根音が強調する響きでもある。明暗がはっきりしない方が安定した響きになる。調性感が強い。
ルートがCの場合、C4(約523.25Hz)とG4(約783.99Hz)を同時に鳴らして、そのまま歪み系エフェクトを掛けると、C4(約523.25Hz)より1オクターブ下のC3(約261.63Hz)の基音周波数の音が生じていることがわかる。計算は、783.99Hz-523.25Hz=260.74Hz≒約261.63Hz。完全5度の押さえた下の音の1オクターブ下の音が聴こえる。完全5度の押さえた下の音の1オクターブ下の音は結合音であり、完全5度の音程で生じる結合音である。完全5度の響きに重厚感が伴う秘密といえる。
倍音には、完全5度を最も強く含むという特性がある。
ルートが白鍵であれば5度も白鍵、ルートが黒鍵であれば5度も黒鍵であるが、ルートがBbとBはそうでない。
平均律の5度音程を12回繰り返すと元の音に戻る。ただし、純正律の2:3を12回繰り返すと、正確には完全には元には戻らず、ピッチに+23セントのズレが発生する。
ギターやヴァイオリンなどの弦楽器の弦の長さを2/3にしたものである。
完全5度の転回音程は完全4度である。完全5度を上下逆にしたもの。主音の下方完全5度に位置する音である。