天頂

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天頂(てんちょう)とは、天球上で観測者の真上の高度90°になる。天球のうち、地平線より上にある部分を魚眼レンズで写真撮影したとき、その中心にくる。天の子午線のうち、地平線上にある部分の中点である。天頂付近にある天体は、地上の明かりの影響を受けにくい。

条件[編集]

天頂に存在しうる天体は、赤緯がその地点の緯度と等しいものに限られる。例えば、北緯35°の地点なら、赤緯35°にある天体のみが天頂に存在しうる。ある天体が天頂にあるとき、その天体は必ずその瞬間に南中していることになる。

太陽[編集]

地球地軸が傾いていることにより、太陽の赤緯は変化するので、北回帰線から赤道を挟んで南回帰線までの範囲で、太陽が天頂にくる可能性がある。北回帰線上では夏至の、赤道上では秋分春分の、南回帰線上では冬至のときに太陽は天頂にくる。もっとも、太陽の赤緯がその地域で太陽が出ているかに関わらず常に変化し続けているのに対し、太陽の南中は1日に1回しかないので、太陽の南中の瞬間に観測点の緯度と太陽の赤緯が完全に一致する可能性はほとんどない。そこまでいかなくとも、太陽がほぼ天頂にくるような状況では、影がほとんどできず、ホラー映画のような不思議な光景が見られる。