土佐闘犬
ナビゲーションに移動
検索に移動
土佐闘犬(とさとうけん)は、明治時代に入ってから、闘犬の盛んな四国、土佐藩でその地の地犬(四国犬)に、前田犬、イングリッシュ・マスティフ(Old English Mastiff)やブルドッグ(bulldog)、ブルテリア(bull terrier)、グレート・デーン(great dane)などを配し作られた犬の品種である。常に単に土佐犬(とさけん・とさいぬ)と呼ぶこともある。
特徴[編集]
- 毛色 - レッド、フォーン、ブラックが標準。昭和初期まで高知県地方では白に赤の斑を持つ犬が多かったが、その後の改良で赤色の犬が多くなった。虎毛やホワイトも少数だが存在する。
- 毛質 - ごく短く、硬い。
- 体格 - 日本犬には他に類を見ない堂々たる筋肉質。頭は大きく、マズルはマスティフそのもの。皮膚は咬まれても大丈夫なように弛(たる)んでいる。長いたれ尾に、耳はたれ耳。稀に笹耳もいる。大小の差があり小さい犬は体重30キロ台から大きな犬は100キロを超える。闘犬の愛好団体によって異なる基準を持っているが、およそ60キロから上の犬を大型犬と呼んでいる。
- 使用用途 - 闘犬、荷物引き、護衛犬、ペット。
- 性格 - 闘犬用として作られた犬なので、大胆不敵な怖いもの知らずで闘争本能が強く攻撃的で、縄張り意識も強い。また、オスがメスをめぐり争うとき、異常なまでに攻撃的になる。しかし、主人とその一家には従順である。
- 寿命 - 10~12年ほど。この種の最高記録はメスで18歳。
- 飼育上の注意 - 力が強いので、女性が飼うのは難しい。犬の飼育初心者にも向かない。必ず首輪をつけ、しっかりとした躾とリードが必要。単にペットにするのには向かないが、避妊・去勢手術をすると攻撃性が低下する。
- 闘犬競技の成績により、横綱、大関などにランク分けされる。
土佐闘犬による咬傷事故[編集]
飼い主や子供や高齢者が土佐闘犬に襲われて死亡したり重傷を負うといった事故が度々発生しており、社会問題となっている。 よく訓練された個体に見えても知能は高くなく、何かの拍子に驚いたりした場合に興奮状態に陥りやすく、見境無く飼い主に噛み付いてしまうケースもある。他の犬に驚いて走り出した土佐闘犬が飼い主を引きずってしまい、転倒した飼い主を興奮状態で噛み殺してしまうという事故も起きている[注 1]。このため散歩の際は、余裕を持ったコースで落ち着いて行うことが望ましい。
危険犬種(特定犬)としての扱い[編集]
イギリスやフランス、ドイツなどの国では、土佐闘犬などの闘犬を「危険犬種」としてペット飼育の規制対象に指定されていたり、飼育が可能な場合であっても、口輪の装着など厳重な管理が義務付けられていたりする。日本においては、飼主のずさんな管理による咬傷事故が絶えないのが現状であるが、特に規制はされておらず、一部自治体にて規制されているのみである(「特定犬」として後述)。なお、土佐闘犬の他に、秋田犬、紀州犬、ジャーマン・シェパード、ドーベルマン、グレートデン、セントバーナード、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(アメリカン・ピット・ブル・テリア)を、人に危害を加えるおそれがあるとして「特定犬」に指定している自治体もある。
注釈[編集]
- ↑ 慣れ親しんだ飼い主でも転倒した惨めな姿を晒せば、犬に自分と主人との社会的順位が逆転したと判断させるためである。飼い主は決してこのような姿を見せてはいけない。