国際産業別労働組合組織

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国際産業別労働組合組織(こくさいさんぎょうべつろうどうくみあいそしき、英語:Global Union Federations、略称:GUFs[1]GUF[2])は、国際労働組合総連合(ITUC)系の国際産業別組織の総称。グローバル労連ともいう[2]

19世紀以降、ヨーロッパを中心に国際産業別書記局(International Trade Secretariats、ITS)と呼ばれる職業別・産業別の国際労働組合組織が結成された[2][3]。1929年時点では27のITSがあった[4]。ITSは第二次世界大戦までは第二インターナショナル系の国際労働組合連盟(IFTU)と密接な関係を持った[5]。1945年にIFTUが解散し、連合国のナショナルセンターが世界労連(WFTU)を結成したが、マーシャル・プランの是非をめぐり、東側労組と西側労組の間で対立が生じた。また個々のITSを統合し世界労連に加盟させようとしたソ連系労組と、ITSの自立性を保つべきだと主張する国際運輸労連(ITF)を中心としたITSの間で対立が生じた。1949年11月に世界労連を脱退した西側労組と世界労連に加盟していなかったアメリカ労働総同盟(AFL)が国際自由労連(ICFTU)を結成した。ITSは世界労連との交渉中に相互の結びつきを強め、1949年3月に調整委員会をつくった[6]。ITS調整委員会は国際自由労連と相互協力の協定を結び[6]、1951年の第2回ICFTU大会で採択された[5]

2000年の第17回ICFTU大会でグローバル化に対応する戦略として「ミレニアム・レビュー」が確認されたことを受け、2001年11月のICFTU執行委員会でICFTU、ITS、OECD労働組合諮問会議(OECD-TUAC)の3組織の連携強化を目指す方針が採択され、3組織は「グローバル・ユニオン」を構成した[7]。2002年1月にITFはプラハでの総会で国際産業別労働組合組織(Global Union Federations、GUFs)に名称を変更した[2][7]。2006年11月にICFTU、国際労連(WCL)、国際労働組合組織に加盟していなかった8つの組織が国際労働組合総連合(ITUC)を結成した。ITUC結成に伴い、2007年1月にITUC、OECD-TUAC、GUFsの3組織は「グローバルユニオン評議会」を設置した[1]

1964年時点のITS[編集]

1964年時点では17のITSがあった。

2012年時点のGUFs[編集]

2012年6月のインダストリオール・グローバルユニオン結成以降は9のGUFがある。日本からは連合の構成組織がGUFに加盟している[1]

出典[編集]

  1. a b c 国際活動 日本労働組合総連合会
  2. a b c d グローバル労連 日本大百科全書(ニッポニカ)
  3. 国際産業別書記局 コトバンク
  4. L.L.ローウィン著、阪本泉、有田ふぢ訳『国際労働運動――綱領・分裂と統一の歴史』誠信書房、1959年、128頁
  5. a b c 「《資料》国際産業別組織(Ⅰ)」『月刊自由労連』第9巻第6号、1964年7月
  6. a b L.L.ローウィン著、阪本泉、有田ふぢ訳『国際労働運動――綱領・分裂と統一の歴史』誠信書房、1959年、332-334頁
  7. a b 国際自由労連(ICFTU)世界大会―連帯のグローバル化 独立行政法人労働政策研究・研修機構、2005年2月
  8. 「《資料》国際産業別組織(Ⅱ)」『月刊自由労連』第9巻第7号、1964年8月
  9. 「《資料》国際産業別組織(Ⅲ)」『月刊自由労連』第9巻第8号、1964年9月
  10. 「《資料》国際産業別組織(Ⅳ)」『月刊自由労連』第9巻第10号、1964年12月
  11. 「《資料》国際産業別組織(Ⅴ)」『月刊自由労連』第10巻第1号、1965年1月
  12. 「《資料》国際産業別組織(Ⅵ)」『月刊自由労連』第10巻第2号、1965年2月
  13. 「《資料》国際産業別組織(Ⅶ)」『月刊自由労連』第10巻第3号、1965年3月