国際産業別労働組合組織

国際産業別労働組合組織（こくさいさんぎょうべつろうどうくみあいそしき、英語：Global Union Federations、略称：GUFs、GUF）は、国際労働組合総連合（ITUC）系の国際産業別組織の総称。グローバル労連ともいう。

19世紀以降、ヨーロッパを中心に国際産業別書記局（International Trade Secretariats、ITS）と呼ばれる職業別・産業別の国際労働組合組織が結成された。1929年時点では27のITSがあった。ITSは第二次世界大戦までは第二インターナショナル系の国際労働組合連盟（IFTU）と密接な関係を持った。1945年にIFTUが解散し、連合国のナショナルセンターが世界労連（WFTU）を結成したが、マーシャル・プランの是非をめぐり、東側労組と西側労組の間で対立が生じた。また個々のITSを統合し世界労連に加盟させようとしたソ連系労組と、ITSの自立性を保つべきだと主張する国際運輸労連（ITF）を中心としたITSの間で対立が生じた。1949年11月に世界労連を脱退した西側労組と世界労連に加盟していなかったアメリカ労働総同盟（AFL）が国際自由労連（ICFTU）を結成した。ITSは世界労連との交渉中に相互の結びつきを強め、1949年3月に調整委員会をつくった。ITS調整委員会は国際自由労連と相互協力の協定を結び、1951年の第2回ICFTU大会で採択された。

2000年の第17回ICFTU大会でグローバル化に対応する戦略として「ミレニアム・レビュー」が確認されたことを受け、2001年11月のICFTU執行委員会でICFTU、ITS、OECD労働組合諮問会議（OECD-TUAC）の3組織の連携強化を目指す方針が採択され、3組織は「グローバル・ユニオン」を構成した。2002年1月にITFはプラハでの総会で国際産業別労働組合組織（Global Union Federations、GUFs）に名称を変更した。2006年11月にICFTU、国際労連（WCL）、国際労働組合組織に加盟していなかった8つの組織が国際労働組合総連合（ITUC）を結成した。ITUC結成に伴い、2007年1月にITUC、OECD-TUAC、GUFsの3組織は「グローバルユニオン評議会」を設置した。

1964年時点のITS

1964年時点では17のITSがあった。

• 国際石油労組連盟（IFPCW）
• 国際食料関連労組連盟（IUF）
• 国際公務員労組連盟（PSI）
• 国際商業事務技術従業員労組連盟（IFCCTE）
• 国際金属労連（IMF）
• 国際郵便電信電話労連（PTTI）
• 国際運輸労連（ITF）
• 国際鉱山労働組合連盟（MIF）
• 国際繊維被服労組連盟（ITGWF）
• 国際自由教員労組連盟（IFFTU）
• 国際産業団体・一般労組連盟（IFF）
• 国際製靴皮革労組連盟（ISLWF）
• 欧州映画・テレビ技術者組合（EUFTT）
• 国際印刷労働組合連盟（IGF）
• 国際建築木材労働組合連盟（IFBWW）
• 国際農園・農業・合同労働組合連盟（IFPAAW）
• 国際ダイヤモンド労働組合同盟（UADW）

2012年時点のGUFs

2012年6月のインダストリオール・グローバルユニオン結成以降は9のGUFがある。日本からは連合の構成組織がGUFに加盟している。

• 国際建設林業労働組合連盟（BWI） - 2005年12月に国際建設林産労組連盟（IFBWW）と世界建設林業労組連盟（WFWB）が統合して結成。
• 教育インターナショナル（EI） - 1993年1月に国際自由教員組合連盟（IFFTU）と世界教職員団体総連合（WCOTP）が統合して結成。
• 国際ジャーナリスト連盟（IFJ）
• インダストリオール・グローバルユニオン（IndustriALL） - 2012年6月に国際金属労連（IMF）、国際化学エネルギー鉱山一般労連（ICEM）、国際繊維被服皮革労働組合同盟（ITGLWF）が統合して結成。日本組織は全日本金属産業労働組合協議会（金属労協／JCM）。
• 国際運輸労連（ITF）
• 国際食品関連産業労働組合連合会（IUF）
• 国際公務労連（PSI）
• UNIグローバルユニオン（UNI） - 2000年1月に国際コミュニケーション労連（CI）、国際商業事務専門職技術労連（FIET）、国際製版印刷労連（IGF）、国際芸術・マスコミ・芸能・映画放送労連（MEI）が統合して結成。
• 国際芸術・エンターテイメント連盟（IAEA）