台湾有事
台湾侵攻（たいわんしんこう、Taiwan emergency）とは、中華人民共和国の人民解放軍が台湾に軍事侵攻する事態である。
経緯[編集]
中華人民共和国の中国共産党創立100年の記念式典で2021年7月1日、習近平総書記（国家主席）は「祖国の完全統一を実現することは共産党の歴史的任務だ」と演説した[1]。これについて台湾当局は2021年7月1日、中国大陸と台湾は一つの国に属するという「一つの中国」論は中国の一方的なものだとし、台湾の2300万人には受け入れられないと強調した。
2022年6月12日、中国国防部長は「台湾地区は中国の台湾地区であり、台湾地区の問題は中国の内政であり、祖国統一は絶対に実現しなければならない」と台湾侵攻の正当性とアメリカや日本の姿勢を批判、さらに「台湾地区を中国から分裂させる者がいれば戦争を辞せず」とアメリカと日本をけん制[2]。
元在沖縄米軍の人物は｢中国が台湾に軍事侵攻すれば成功する｣と中国の台湾制圧を結論付ける[3]。
台湾侵攻は、かなり早い時期に行われると見られている。ウクライナを例にバイデンは中国を軍事攻撃することはないと見ている可能性が高く、アメリカに影響力があり岸田政権を実質支配した安倍が死去したタイミングこそ絶好のチャンスと見ている可能性が高い。この機会を逃せば日本の反中軍国化が進み侵攻が難しくなることから、アメリカと日本が対策を強化するよりも前、つまりかなり早い時期に侵攻が行われると見られている。
2022年7月12日、中国政府は、福建省と台北結ぶ高速道路を2035年までに整備すると発表[4]。
2022年8月4日、中国政府は、台湾囲み弾道ミサイル11発発射し台湾・アメリカ・日本をけん制。
可能性[編集]
中国軍が取る行動として、以下のようなものが想定されている。
アメリカは台湾関係法で、台湾への防衛支援を約束しているため、中国が武力行使に踏み切った場合、反撃を阻止するためとして沖縄県の米軍基地などに攻撃する恐れも指摘されている。
一つの中国原則[編集]
中国は「一つの中国原則」の立場を取っている。
- 「世界で中国はただ一つである」，
- 「台湾は中国の不可分の一部である」，
- 「中華人民共和国は中国を代表する唯一の合法政府である」
という論法を使用している。（2000年の中国政府の白書「一つの中国原則と台湾問題」） ただし歴史的に台湾が中国の領土であるかどうがは、異論もある。たとえば1895年（明治28年)5月23日に、独立政権である台湾民主国が建国されたことがある。台湾最初の独立国家であった。
独立国家論[編集]
台湾の蔡英文総統は「われわれには独立国家を宣言する必要はない」「私たちはすでに独立国家であり、中華民国や台湾と呼んでいる」と主張した[5]。台湾は中国本土の一部であるとの考えを受け入れない台湾の人数は増加している。
6年以内の台湾侵攻[編集]
米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は2021年3月9日、米上院軍事委員会の公聴会で6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」と証言した[6][7]。また日本のシンクタンク「日本国際問題研究所」は「戦略年次報告2020」で、「中国軍による台湾海峡における軍事演習などを背景に、米台関係の強化が進み、これに対する中国の反発も強まった」と分析する[8]。
もし台湾有事の際にアメリカが軍事介入するようなら、沖縄やグアムの米軍基地が核攻撃を受ける可能性が上がる、という予想があったりする。
2022年のウクライナ軍事侵攻と台湾有事を比較して見ている人も居る。
2022年秋に侵攻[編集]
流失したロシアFSBの機密情報に、習近平主席が2022年秋に台湾統一(侵攻)を検討と台湾の自由時報が報じる。
参考文献[編集]
- ↑ 中国・習氏「台湾統一は歴史的任務」日本経済新聞,2021年7月1日
- ↑ 中国国防部長「台湾地区を中国から分裂させる者がいれば戦争を辞せず」
- ↑ 米軍の結論｢中国が台湾に軍事侵攻すれば成功する｣
- ↑ 中国政府「福建省と台北結ぶ高速道路整備」…台湾メディア「からかっているのか」
- ↑ 台湾の蔡総統、「われわれはすでに独立国家」 中国に警告AFP BBNew2020年1月15日s,
- ↑ Davidson: China Could Try to Take Control of Taiwan In ‘Next Six Years’USNI News,2021年3月9日
- ↑ China could invade Taiwan in the next 6 years, assume global leadership role, U.S. admiral warns2021年3月10日
- ↑ 戦略年次報告2020日本国際問題研究所