佐藤正 (社会運動家)
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佐藤 正(さとう ただし、1929年 - )は、野坂問題研究者、日本人民戦線運営委員[1]。
経歴・人物[編集]
香川県生まれ[2]。1951年、東京大学法学部卒業。商社、通信社勤務などを経て、哲学研究会主幹、日本人民戦線運営委員、思想の科学研究会会員[3]、日本共産党(行動派)中央委員[4]。
野坂参三の研究[編集]
1992年にソ連のスパイだったとして日本共産党名誉議長を解任され、後に除名された野坂参三の研究者である。野坂のスパイ疑惑を追及してきたジェームス・小田は、著書『スパイ野坂参三追跡』で佐藤から届けられたという資料を引用している[5]。大峰林一(沖縄史を記録する会)は、佐藤の研究に野坂とアメリカ当局との関係について重要な指摘があると紹介している[6]。2016年に宝島社から刊行された『日本の右翼と左翼がわかる本』は、佐藤の著書『日本共産主義運動の歴史的教訓としての野坂参三と宮本顕治』を参考文献の一つに挙げている[7]。
カティンの森事件の研究[編集]
日本人民戦線の機関紙『人民戦線の旗のもとに!』に「カチンの森事件の真相」を連載。第二次世界大戦中にポーランド軍将校や国境警備隊員ら約2万人がソビエト内務人民委員部に銃殺されたカティンの森事件について、ゲッベルスの日記の中にナチスの犯行を認める記述があると指摘した[8]。2014年に単著『カチンの森事件の真相』を刊行、日本人民戦線議長の平岡恵子が同書に「推薦の辞」を寄せた。なお一般的にはナチス犯行説はほとんど認められていない。
著書[編集]
- 『第一級の国際的スパイ野坂を操るもの』 私家版[6]
- 『日本共産主義運動の歴史的教訓としての野坂参三と宮本顕治――真実は隠しとおせない 』上下 新生出版、ディーディーエヌ(発売)、2004年12月。
- 『歴史と時代の産物としての帝銀・下山両事件ほか――真実は隠しとおせない』 新生出版、ディーディーエヌ(発売)、2005年12月。
- 『カチンの森事件の真相――ゲッペルスの日記に基づく 真実は隠し通せない』 創英社、三省堂書店(発売)、2014年10月。
脚注[編集]
- ↑ ジェームス・小田『スパイ野坂参三追跡』彩流社、1995年、243頁
- ↑ 日本共産主義運動の歴史的教訓としての野坂参三と宮本顕治 真実は隠しとおせない 下 e-hon
- ↑ ゲッペルスの日記に基づく カチンの森事件の真相 紀伊國屋書店
- ↑ 2006年革命英雄記念祭と梅原マサエさんの入魂式盛大に開催! 日本人民戦線ブログ(2006年4月11日)
- ↑ ジェームス・小田『スパイ野坂参三追跡』彩流社、1995年、21頁
- ↑ a b 大峰林一「日系アメリカ人の見た野坂参三――解説にかえて」、ジェームス・小田『スパイ野坂参三追跡』彩流社、1995年、250頁
- ↑ 別冊宝島編集部編『日本の右翼と左翼がわかる本』宝島社、2016年、270頁
- ↑ 木下昌明の映画批評 : 「カティンの森」批判の前提に疑問 レイバーネット日本(2010年2月14日)