伊豆箱根鉄道3000系電車

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

伊豆箱根鉄道3000系電車(いずはこねてつどう3000けいでんしゃ)は、1979年から1997年にかけて駿豆線向けに投入された、伊豆箱根鉄道の鉄道車両のこと。

登場の経緯[編集]

駿豆線には17m級旧型国電由来の非冷房車が大量に残っていたが、これらを大型冷房車で置き換えるべく1979年に登場した。後に1000系非冷房車の代替も実施すべく、1997年までに3両編成6本が増備されている。

車体・内装[編集]

第1 - 4編成は全鋼製車体に暖色系の内装・ワインレッドの座席モケット、第5・6編成は211系ベースのステンレス車体にオレンジの座席モケットとされたが、前期型4本もオレンジ色のものに交換されている。

塗色は富士山をイメージした青と白のツートン、またはステンレス地に青帯とされた。前面は他社から見ても他に例がないオリジナルデザインとなっている。

第1編成の中間車は後に座席指定快速への充当のため転換クロスシート化改造がなされた。2010年内に全編成にドアチャイムが設置されている。

主要機器[編集]

西武2000系で採用された界磁チョッパ制御は採用されず、701系と同様のHS836系主電動機に、701系の上位互換とも言える、ABFM発電ブレーキ付き電動カム軸式抵抗制御の組み合わせとされた。ブレーキ方式は伊豆箱根鉄道の新車初となるHRD電気指令式ブレーキを採用し、後期型からは遅れ込め制御が設置された。

台車は701系や101系などで実績のあるFS372系、FS072系を履く。

起動加速度は2.4km/h/sだが、高加速度スイッチオンの際は3.0km/h/sを確保できる。

運用[編集]

駿豆線の全運用に就き、2009年からは都市型ワンマン運転を実施している。

編成別概説[編集]

3501F[編集]

1979年登場。中間車1両は1988年に転換クロスシート化改造をなされたが、1998年の快速廃止後もそのままである。2008 - 09年には伊豆の国市におけるいちご狩りをPRするヘッドマークが掲示された。2010年2月にドアチャイム設置。

2016年4月27日からはラブライブ!サンシャイン!!に登場するスクールアイドルAqoursの楽曲『恋になりたいAQUARIUM』のラッピングがなされ、当初は7月までの予定だったが好評によりシールの劣化が進んだ2018年3月25日まで運用された。同年4月1日のイベントでラッピングは剥がされ、6月12日以降はかつて存在した軌道線の塗色に変更されて運用に就いている。2019年には生誕40周年記念ヘッドマークを掲げられて運用された。

3502F[編集]

1980年登場。2008年11月には埼玉西武ライオンズのプロ野球日本一を記念してヘッドマークが掲げられた。ドアチャイムは2010年1月に設置。

2011年からは乗降扉に十国峠レストランなどで販売されるスイーツ「南箱根十国館」の、2015年には沿線上のサイクルスポーツセンターを舞台とした劇場版弱虫ペダルのラッピングがなされた。

2023年現在はいずっぱこGEO TRAIN第5弾として運転される。

3503F[編集]

1981年登場。ドアチャイムは2010年2月に設置。

3504F[編集]

1982年登場。当編成の登場により駿豆線から17m級の中型車が全滅した。

2008年11月には埼玉西武ライオンズのプロ野球日本一を記念してヘッドマークが掲げられた。ドアチャイムは2010年1月に設置。

3505F[編集]

1987年登場。当編成からステンレス車体となる。2010年には伊豆の国市におけるいちご狩りをPRするヘッドマークが掲示された。ドアチャイムは2010年2月に設置。

2022年中は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送に合わせて北条義時をあしらったラッピングがなされていた。

3506F[編集]

1997年登場の最終増備車で、2023年現在は伊豆箱根鉄道最後の自社発注車となっている。LED式の行き先表示器およびスカートを当初から設置。ドアチャイムは2010年10月に設置。

2017年以降は同社初のフルラッピング車として、Aqoursの楽曲『HAPPY PARTY TRAIN』のラッピングがなされ、2023年現在もメンバーの誕生日前後1 - 2週間は誕生日記念ヘッドマークが掲示される。

今後[編集]

鋼製車4本に関しては、製造から45年を迎えようとしており、同時期に製造された1300系とともにそろそろ代替計画が持ち上がってもおかしくはない。ステンレス車2本も、足回りが旧弊な抵抗制御のため、今後VVVF化あるいは置き換え計画がどのように進められるかは気になるところ。

なお、後継には211系311系西武2000系や久々の自社発注車などが挙がっているが、少なくとも4ドア鋼製車体の界磁チョッパ制御車である西武2000系を置き換えに用いるのは非合理的であると思われる。

関連項目[編集]