井桁屋 (西尾市)
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井桁屋(いげたや)は、かつて愛知県西尾市幸町19にあった百貨店。
歴史[編集]
百貨店[編集]
江戸時代中期に吉見呉服店として創業した。1924年(大正13年)に現在の中央通りが拡幅されると、吉見呉服店が百貨店に業態転換し、建物を新築して井桁屋が開業した。『西三河今昔写真集』には1924年(大正14年)の井桁屋オープン時の写真が掲載されている[1]。
屋上庭園、食堂、余興場なども設けられた。スチーム暖房・浄化槽・荷物用エレベーターなどの設備を有していた。地方都市に3階建ての近代的ビルは珍しく、西三河南部の中心的な商業施設であり、商圏は幡豆郡・碧海郡・知多郡にまで及んでいた。
1945年(昭和20年)1月13日の三河地震ではほとんど被害を受けず、震災復興の拠点のひとつとなった。百貨店としては戦時中に物資統制により閉店しており、戦後には一時的に開店した時期もあったが、すぐに閉店している。百貨店として営業していた時期は短かったが、閉店後は建物が長らくそのまま残されていた[1]。
取り壊し[編集]
2002年(平成14年)には中央通りの拡幅工事が計画され、老朽化していた旧井桁屋の取り壊しが検討された。高校生などの若者を中心として「旧井桁屋を考える会」が結成され、存続を求める署名活動や、X JAPANのToshiを招いたコンサート、フリーマーケットなどのイベントも行われたが、2006年(平成18年)3月に取り壊された。2007年(平成19年)10月8日には跡地に井桁屋公園が開設された。井桁屋のプレートが設置されており、また西尾茶をモチーフとする抹茶色の郵便ポスト(西尾市唯一)が据えられている。
建築概要[編集]
- 様式 - ルネサンス様式を基本にセセッション様式を加味する。
- 構造 - 鉄筋コンクリート造ラーメン構造
- 階数 - 地上3階・地下1階建
- 竣工 - 1924年(大正13年)
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 『西三河今昔写真集』樹林舎、2006年