乳母

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乳母(うば/めのと)とは、昔の貴人子供が乳児の時代に、生母以外の女性が養育する場合の女性のことである。乳人とも書かれる。乳母は乳児を育てるために良質な乳を与えるだけの健康体、養育のために備えている教養が必要であった。乳母は「今乳人(いまめのと)」「乳人局(めのとのつぼね)」のほか、通常の女房衆と同様に「~局」と称された。織田信長は乳児の時代、多くの乳母の乳を噛み破って困らせたが、池田恒興の母・養徳院だけにはなつき、彼女の乳だけは素直に飲んでその悪癖を現さなかったという。乳母はその乳を吸った子供からは非常に特別視され、事実上の「育ての母」として重要視された。例えば、信長は養徳院には知行を与え、その息子の恒興や一族を大いに取り立て、信長の没後も豊臣秀吉から重要視されている。他にも、室町幕府の第3代征夷大将軍足利義満が北野社に参篭していた際、乳母である細川頼之の継室・持明院氏が死去したと聞いて急いでそこから退出して駆けつけたという(『荒暦』)。また、同第8代将軍・足利義政の乳母である今参局は、幕政に関与して「三魔」と称されるほど権勢を振るうなど、政治面で活躍する乳母もいた。

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