ワグネル
ワグネルとは、ロシアの民間軍事組織である。ロシアでも屈指のネオナチ組織として有名であり、創設者プリゴジン氏はナチスの刺青を入れているとの噂もある。
概要[編集]
2014年、ロシアの富裕層「オリガルヒ」の一人でプーチン大統領の友人でもあるエフゲニー・プリゴジンによって設立された。本部はサンクトペテルブルクで、傭兵の雇用・訓練・実戦投入を行っている。民間とは言え、ロシアの国防省から装備や訓練施設の提供を受けているため「プーチンの私兵」とも呼ばれる。設立当初はドンバスにおけるウクライナとの戦闘にロシア側で投入され、その後シリア、リビアなど世界各地で活動を展開した。同組織を一躍有名にしたのが2022年ロシアのウクライナ侵攻で、激戦地ソレダル・バフムト等に配属された。一時期はロシア軍と共にバフムトの8割以上を占領したと報じられたが、ウクライナ軍の猛反撃により5月中にバフムトから撤退することとなったようである。これについてプリゴジン氏は「無能なロシア国防省が弾薬を提供しないからだ」と怒りをあらわにしている[1]。また、2023年5月4日に発生したクレムリン上空での爆発もワグネルの仕業ではないかという考察も出ている[2]。ロシア内部では国軍とワグネルの対立が激化している模様である。
「正義の行進」[編集]
詳細は「プリゴジンの乱」を参照
2023年6月24日、プリゴジン氏はSNSで「ワグネルの施設がロシア軍の攻撃を受け、死傷者が出た」と発表。ロシア国防省を倒すためウクライナからロシアへ進軍すると宣言した。ワグネルは南東部の一部州の制圧を完了し、モスクワに向けて進撃すると見られていた。プーチン大統領はプリゴジン氏を批判し、モスクワの衛を固めると発言したが、ワグネルを直接攻撃することはしていない。プリゴジン氏もロシア国防省及び軍への糾弾にとどめており、プーチン氏も直接罵倒するのを避けていたようだ。結局、翌25日になるとプリゴジン氏はあっさり部隊を撤退させ、事態は沈静化した。なお、現場ではワグネルに賛同する意見も上がっていたようで、軍とワグネルの大気な衝突は発生していない。
その後プリゴジン氏は航空事故で死亡し、ワグネルは実質的に解体された。