ホンダ・NSX

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NSXとは、本田技研工業がかつて生産していたスポーツカーである。

概要[編集]

NSX-R

1990年に発売されたNSXはホンダとしては珍しい後輪駆動であり、市販車としては珍しいミッドシップ・リアドライブであり、市販車として世界初のオールアルミ製ボディという特徴を持っていた。また、手作業で組み立てられる工程やその価格から日本スーパーカーであるという評価も多い。開発には日本人のF1ドライバーである中嶋悟のほか、伝説的ドライバーであるアイルトン・セナも走行テストに参加していた。

1990年の発売以降繰り返しマイナーチェンジを受け、2005年末に初代の生産を終えた。

2016年には2代目となるNSXが発売され、2ドアクーペのミッドシップレイアウトであることは共通しているものの、500PSを超えるツインターボエンジンとハイブリッドシステムの組合せで580PSを発揮するほか、駆動方式がフルタイムAWDになるなど名実ともにスーパーカーとしてよみがえったものである。2022年末に生産終了。

初代[編集]

当時のホンダのフラッグシップとなるべく開発されたモデルであり、当時参戦していたF1の技術をフィードバックしたハイパフォーマンススポーツカーとして生み出されたもモデルである。開発にあたってはフェラーリ・328が目標とされ、いくつもの328を購入して入念なデータの計測をしていたといわれている。また、ニュルブルクリンクでの走行テストにおいては現地にテストのための拠点を構えて徹底的な走行テストを行っていたという力の入れようである。

オールアルミ製ボディの量産のため、ホンダは栃木県発電所込みの専用工場を建設。手作業での製造の為、一日に製造できる台数が50台(当初は25台)しかなく、バブル景気も相まって注文が殺到した結果納車予定が3年後ということも珍しくなかった。

搭載されるC型エンジン、C30AはC20Aなどの第一世代C型エンジンをベースにNSX用として新開発され、NAながら280PSを発揮するなど当時の自動車馬力規制に達する出力を誇るエンジンであった。なお、97年のマイナーチェンジの際には排気量を増やしたC32Bも搭載された。また、ホンダの可変バルブタイミング機構であるVTECも搭載され、高回転まで回るエンジンでありながら中低速トルクも犠牲にしていない。

通常、積載性が犠牲になるMRでありながらゴルフバッグ2つもが搭載できるほか、快適装備も充実しており高級車としての風格も兼ね備えている車であった。

マイナーチェンジによりスポーツ重視のタイプRやオープンカー仕様が設定されたほか、2001年末のマイナーチェンジでリトラクタブルヘッドライトから固定式ヘッドライトになるなど、エクステリアを含めた多種多様な改良を受け続けた。一方、バブル経済崩壊や自動車人気の低迷のほか、北米における環境基準を満たせなくなることから2005年に生産終了を発表。発売当初は一日50台でも追いつかなかった生産ラインが末期には月間10台程度まで減少していた。なお、生産終了発表後は注文が殺到し、予定販売数がすぐに埋まってしまったという。

現在ではNSXリフレッシュプランとして経年劣化に伴う車両の部品交換やエンジンや足回りの調整、再塗装までを請け負うメンテナンスサービスが続けられている。

2代目[編集]

2012年から新型NSXのプロトタイプが各国のモーターショーで発表され、2015年に正式に発売を発表されたものである。

3.5LのV型6気筒エンジンを先代同様ミッドシップレイアウトで搭載し、SPORT HYBRID SH-AWDとよばれるハイブリッドシステムを搭載。エンジンブロックとエンジンヘッドはレースエンジンビルダーとして知られているコスワースが生産し、車両はアメリカにあるホンダの専用工場で生産されていた。

日産・GT-Rレクサス・LFAと並んで、吊るしで300km/hを超えることができる日本メーカーの四輪車でもある。

関連項目[編集]

  • ホンダ・S2000 - NSX同様、ホンダとしては珍しい後輪駆動車。ただしFR。
  • ホンダ・ビート - 軽自動車ながら2シーターMRレイアウトのスポーツカーであった。
  • ホンダ・S660 - ビート同様の軽2シーターMRスポーツカー。生産時期が近く、自動車雑誌でミニNSXなどと呼ばれることもあった。