バーバラ・クランサー

バーバラ・アン・クランサー（英語：Barbara Ann Crancer、旧姓：ホッファ（Hoffa）、1938年4月8日 - ）は、アメリカ合衆国の弁護士、裁判官。

経歴

父は1957年から1971年に全米トラック運転手組合（チームスターズ）会長を務めたジミー・ホッファ。母は元洗濯工で、ピケットラインでジミーと知り合ったジョゼフィン・ホッファ（旧姓ポスジワック）。弟は労働弁護士で、1998年から2022年にチームスターズ会長を務めたジェイムズ・P・ホッファ。ミシガン州ウェイン郡デトロイト出身。週末はデトロイトの北西にあるビッグ・スクエア・レイクのサマーコテージでも過ごした。

アルビオン大学で学士号を取得。大学ではフランス語を専攻し、ファイ・ベータ・カッパ（全米優等学生友愛会）と文芸クラブの会員になった。1961年に実家の鉄鋼製品会社で働いていたロバート・E・クランサー（1991年時点で54歳、個人投資家）とチームスターズの大会で出会い、4ヶ月後に結婚した。フランス語と英語の教師をしていたが、結婚を機に退職し、セントルイスに引っ越した。2人の間にはバーバラ・ジョゼフィン・クランサー（1991年時点で28歳、不動産業）という娘が1人いる。

娘が大きくなった後、夫と弟の勧めもあり、42歳でワシントン大学法科大学院に入学した。1985年にワシントン大学法科大学院を修了し、法学博士号を取得した。個人弁護士の事務所で働いた後、ミズーリ州労災補償局に就職した。1989年にミズーリ州労災補償局の行政法審判官に任命された。1992年にミズーリ州第21管区巡回裁判所（セントルイス郡）の判事に任命された。

2009年2月にクリス・コスターミズーリ州司法長官が新設する障害者の権利・労働者の権利・市民権部門の主任顧問に指名した。

父親のジミー・ホッファは1975年7月30日に失踪した。1987年に情報公開法に基づきホッファの失踪と殺害に関する情報を請求したが、FBIは拒絶し、1994年に連邦最高裁判所はFBIに味方した。1995年3月にホッファの親友かつ右腕であり、ホッファの拉致と殺害の第1容疑者の1人でもあるフランク・シーランに手紙を出し、「秘密厳守の誓約のもとで」失踪事件について知っていることを話してほしいと訴えた。2001年10月にはシーランに電話をかけたが、シーランは何も漏らさず、弁護士を通してほしいと述べるにとどまった。

映画

1992年に公開されたダニー・デヴィート監督の映画『ホッファ』では、ディナ・リンチ（Dinah Lynch）がバーバラ・ホッファを演じた。

2019年に公開されたマーティン・スコセッシ監督の映画『アイリッシュマン』では、レベッカ・フォールケンベリー（Rebecca Faulkenberry）がバーバラ・ホッファを演じた。