デジタルカメラ

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デジタルカメラ(digital still camera)とは、撮影に撮像素子を使うカメラの事である。光をデジタル信号に変換し記録できるカメラである。略して「デジカメ」と書かれる。「デジタルスチルカメラ」ともいう。単にデジカメやデジタルカメラと呼ぶ場合は静止画がメインのカメラであることが多く、動画がメインのカメラはデジタルビデオカメラと呼ばれることが多い。

概要[編集]

撮像素子は光を電気信号に変える素子であり、その電気信号を内部の処理装置で、画像データに変換して出力するものである。この画像データがデジタル画像であり、パソコン上で扱いやすいデータであるため現在の主流になっている。デジタルカメラでも動画を撮影できる機種は多いが、EUの関税問題や廃熱の問題で30分程度の制限がかかるものが多い。一方、ミラーレス一眼レフカメラを中心に映像撮影がメインのカメラが販売されており、外見からは普通のカメラかビデオカメラかわからないものも存在している。

シャッターボタンを半押ししたままの場合は、明るさとピントが固定される。

撮影したときに、画像として書き込まれるデータファイルフォーマットは、「JPEG」形式で保存される。

記録方式[編集]

フィルムカメラはフィルムを感光させることで記録できる。一方、デジタルカメラは電子的なデータで記録する。初期はカメラ本体に内蔵されたストレージに記録するものあったが、近年は内部ストレージを持たず、記録メディアに直接記録するものが主流。撮影・録画したデータの記録に使用されているメディアはSDカードコンパクトフラッシュメモリースティックXDピクチャーカードなどである。カメラ自体の高画質化などにより、SDカードの場合はSDXCカードかつより高速な書き込みが可能なクラスが望ましい。また、容量も静止画のみの場合は32GB、補助的に動画撮影する場合は64GB以上が好ましい。一眼レフの場合はRAW撮影を考慮して128GBや64GBを複数毎買っておけば安心できる。多い日も安心 黎明期は2MBのストレージに25万画素であり、画像サイズは320×240ピクセル(QVGA)という極めて限られた性能だった(カシオ QV-10)。パソコンの普及に伴い、従来のフィルムカメラメーカーからデジタルカメラが多数発売されていった。

記録サイズ[編集]

デジタルカメラにおける画像撮影のサイズ(画質、ピクセル)は機種によりさまざまであり、かつては上記のようにQVGAでの記録が最大であった。時代が進むにつれセンサーサイズの拡大や高画素化が実現され、2023年現在で8K[注 1]で記録できるカメラも存在する。設定により有効画素数を落として撮影することも可能。また画質もファインとノーマルなどで示され、大きいサイズや高画質に設定するほど画像ファイルのデータ量も増える。この関係上、画質が優先されない場合は画質を落とし、枚数を確保するなどの設定をされることが多い。撮影サイズの比率はフルサイズ機やAPS機の場合は「3:2」、一般的なデジカメやマイクロフォーサーズなどでは「4:3」が多い。スマートフォンやデジカメなどで「3:2」や「1:1(スクエア)]を選ぶこともできるが、これは生データからトリミングして得られるデータとなる。デジカメなどで「4:3」が主流になったのはビデオカメラ用の素子を流用したためともいわれており、当時のテレビの比率が「4:3」であったことも関係している。一方、フルサイズセンサやAPS-Cが「3:2」なのは普及した写真用フィルムが35㎜フィルムであり、その比率が「3:2」であったことに由来している。なお、近年では「16:9」で撮影するケースも増えてきている。16:9は人間の視野角に近いとされている。

画像撮影のサイズの設定については、画像撮影のサイズの比率は、実用的なのは「4:3」が多く、画像撮影のサイズのピクセルでよく使われるものは「4864×3648(17M)」、Mサイズでは「2304×1728(4M)」辺りであることが多い。動画撮影=録画のサイズのピクセルは、一部の機種で4Kサイズ(3840×2160)を録画できるものがあるほか、近年の機種であれば「1920×1080=1080p」(2K)とそれより一回り小さい、「1280×720=720p」で録画ができる。動画撮影に特化したミラーレス一眼であれば8Kサイズ(7680×4320)での動画撮影も可能。画像撮影の「4:3」のサイズでは、実用的なピクセルは、「2304×1728」辺りである理由は、おそらく、動画撮影=録画の最大サイズと、パソコンのプリントスクリーン及びスクリーンショットの画像サイズが「1920×1080=1080p」[注 2]で、これらのサイズに比較的近い方を選ぶという関係かもしれない。[注 3]

カメラをの落下防止のため、手首に巻き付けることのできるストラップを装着できる穴が開いていたり、ボディにネックストラップが装着可能なストラップホールが設けられていることがある[注 4]

画素数[編集]

画素数とは画像を構成するドットの数をあらわしたものである。1万画素をメガピクセル、MPと表すことが多く、カメラの設定画面における〇MPは〇万画素であるとされる。この数字が高いほど表現する点の数が多いため、高精細な画像になるとされる。一方、高画素数が必ずしも高画質につながるわけではない。同じセンサーサイズで画素数を増やした場合は1画素当たりの面積は当然小さくなる。そのため、ノイズの多い画像であったり、ダイナミックレンジが狭くメリハリのない画像になったりする。高画素化競争により、コンパクトデジタルカメラでも1600万画素が当たり前の時代があった。なお、当時主流であった1/2.3型インチサイズで16MPのイメージセンサとデジタル一眼レフ当初に普及していたAPS-Cのイメージセンサで6MPでは、後者の方が綺麗に見える場合もある。

デジタルカメラの種類[編集]

ここでは主にカメラとして販売されているものの代表例を挙げる。

コンパクトデジタルカメラ
QV-10からの発展形や、従来のコンパクトカメラの流れをくむデジタルカメラの事を「コンパクトデジタルカメラ」といい、「コンデジ」と略されることが多い。かつては一般向けとして広く普及したが、スマートフォンの台頭より急速に衰退している。現在はカメラメーカーでも撤退していることが多く、特に1万円台の低価格コンパクトデジタルカメラは皆無である。
高級コンパクトデジタルカメラ
プレミアムデジカメとも呼ばれ、機能や画質を一眼レフカメラやミラーレス一眼レフに近づけたもの。数十万する価格帯のものもあり、上位機種との違いがレンズ交換の可否のみ、というカメラもある。また、見た目が一眼レフカメラで、レンズ交換できないものを「ネオ一眼」という動きがあった。
防塵・防水カメラ
工事現場など、落下や砂塵・水没の危険が多い現場でも壊れないように作られているカメラ。価格は高いものの、記録メディアやセンサーの小ささを活かし完全防水型にできるなど、デジタルカメラとしての強みを撮影環境むけに特化させたものである。
デジタル一眼レフカメラ
従来の一眼レフカメラと撮影素子が変わっただけのような構造であり、早くから高画質を実現していた。当初の背面液晶は撮影結果の確認や設定のみとされ、ファインダー機能がないものもあった。現在では動画撮影機能やチルト液晶やバリアングル液晶など、様々な機能が備わっている。
ミラーレス一眼レフカメラ
一眼レフカメラはファインダーに像を写すため、レンズから入った光をシャッター前に置かれたミラーで屈折させ、さらにファインダー直前のプリズムで屈折させている。ミラーレス一眼レフはこのミラー(とプリズム)を無くし、部品点数と自由なボディ形状を実現したものである。ファインダーはライブビューファインダーなどと呼ばれ、センサで得られた画像をそのまま映しているだけである。そのためファインダーを持たず、背面液晶がファンインダーを兼ねる機種も多い。従来は一眼レフの下位に位置し、サブカメラや入門機とされていたものの、現在では一眼カメラメーカーが参入したり、フルサイズミラーレス一眼レフカメラが発売されるなど激戦区となっている。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 垂直解像度であれば4320p
  2. 当然、パソコンに接続してあるディスプレイ解像度に依存する。近年のディスプレイであれば16:9のほうが多い
  3. 実際は前述の通り、コンパクトデジカメラで主流の1インチセンサーのアスペクト比が4:3だからである
  4. コンパクトデジタルカメラはストラップのみ、一眼レフカメラなどはネックストラップのみの対応であることが多い