SDカード

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SDカードとは、メモリーカードの一種である。デジタルカメラスマートフォンなど、さまざまな分野で利用されている。3種類のサイズがあり、SDカードより一回り小さいものをminiSDカード、さらに小型化したものをmicroSDカードと呼称する。

規格[編集]

形状[編集]

SDカードには形状[注 1]により規格化されており、先述のSDカード、miniSDカード、microSDカードがそれに該当する。miniSDとmicroSDカードはロックピンがついていないが、アダプターについている場合がある。一方、ピン数は転送速度に応じて増えている場合があり[注 2]、性能を引き出すには対応機種での使用が必須。

容量[編集]

SDカードの容量によって規格が異なっており、利用する機器が対応する規格以下のカードしか使うことができない。そのため、SDカードが出回り始めた当初の製品においては初期の規格しか使うことのできない機器も少なくない[注 3]

SD(~2GiB/FAT16)
もっとも初期の規格である。2022年においては後発のSDHCやSDXCに比べ販売価格が高騰している。
SDHC(2~32GiB/FAT32)
2006年に規定され、より大容量になった。SDのみ対応機種では使用することはできないが、ファームウェアのアップデートなどで利用可能になる場合がある。
SDXC(32~2TiB/exFAT)
2009年に規定され、さらに大容量になる。2TiBもいらないだろうと思っていたら1TiBのSDXCカードも出てしまった。
SDUC(~128TiB/exFAT)
2018年に規定され、やりすぎなくらい大容量になる。ここまで拡張しておけば後10年は戦えるはず。

転送速度[編集]

データの転送速度はSDカードとパソコン間だけではなく、撮影などで記録する速度に影響するため、利用する機器に対して適切な速度を選ぶ必要がある。当然転送速度が速いほど効果になるため、コストと性能のバランスが重要である。

DS(12.5MB/s)
標準の転送速度。
HS(25MB/s)
転送速度が2倍になっているが、見かけで判断がしづらい。一部機器にはハイスピードなどの表示があったらしい。
UHS-I(50MB/s・104MB/s)
DDR50とSDR104という規格に分かれている。なお、規格上は上記のDSとHSを含むものになっている。ラベルに「I」の文字が書かれていればUHS-Iの規格を満たしている。近年のSDカードはほぼこれ。
UHS-II(156MB/s・312MB/s)
ピン数が2段になる。従来通りの1段目もあるため、遅い転送速度になるものの後方互換性は確保されている。

その後、2017年にUHS-IIIが、2018年にはSD Expressが規定されているが、2022年現在普及しているのはUHS-IIまでとなっている。 また、このほかにスピードクラスというものも規格化されている。 スピードクラスは最低保証速度を示すものであり、対応機器であれば表示されている転送速度以上を出せる目安となっている。そのため、繰り返し書き込みを行うような連射や動画撮影においてはより高速のスピードクラスのSDカードを使用する必要がある[注 4]

改ざん防止機能[編集]

ライトワンスメモリーカードともいい、対応機器に差し込み記録した画像の編集・加工・消去ができないSDカードである。画像の真正性が問われる機関で主に使用されている[注 5]ICレコーダーで利用できる機種もあった。

利用[編集]

SDカードの利用はデジタルカメラやスマートフォンにとどまらず、ゲーム機やポータブルミュージックプレイヤーカーナビゲーションの地図更新など、広く利用されている。また、USBフラッシュメモリ型のカードリーダーも市販されており、カードを差し込むことでUSBフラッシュメモリのように利用できるものが流通している。

粗悪品[編集]

USB接続のポータブルSSDやHDDの中身がmicroSDカードであるという粗悪品に使用されるほか、容量を偽装しSanDiskなどの有名メーカーに見せかけた粗悪品やコピー品も流通しているため、注意が必要である。[注 6]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. フォームファクタという。マザーボードCPUの形状などに対してもこの呼称を使うことが多い
  2. UHS-IとUHS-IIでピン数が8本異なる
  3. 流通数も多く、比較的低価格なSDHCですら使用することができない
  4. CASIO EXILIM EX-H15でHD動画撮影を行う場合、クラス4などで撮影すると音声が入らなかったりコマ飛びすることがある
  5. 警察などの捜査機関など
  6. OSを騙すタイプの容量偽装が行われることもある。なお、このタイプの場合はドライブレコーダーのような記録方式をとるため、古いデータから順次消えていく厭らしい仕様になっている